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令和2年度こなみずき生産者部会研修会への参加について

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最終更新日:2020年8月26日

2020年8月

鹿児島事務所 山北 淳一

 令和2年8月5日(水)、鹿児島県南九州市知覧町のJA南さつまふれあいセンターにおいて、こなみずき生産者部会研修会が開催された。研修会には、こなみずき生産者、JA鹿児島県経済連、JA南さつま、JAさつま日置、JAいぶすき、鹿児島県南薩地域振興局など約30名が参加した。
  「こなみずき」(写真1)は、異性化糖や水あめなどの糖化製品に仕向けられることが多いかんしょでん粉において、食品用途への利用拡大を後押しする品種として平成24年1月に品種登録された。この「こなみずき」から製造されるでん粉は、従来の品種から作られるかんしょでん粉と比較して、低温糊化性、耐老化性、優れた成形性といった特性を持っていることから、さつま揚げや菓子などに使用されている(表1)※1。
写真1 こなみずき
写真1 こなみずき
表1「こなみずき」でん粉の主な特徴
表1「こなみずき」でん粉の主な特徴
 こなみずき生産者部会は、「こなみずき」の品種登録から5年が経過した
平成29年3月27日、さらなる安定生産・安定供給体制の確立に向けて、生産者及び関係者間で設立されたものである※1
部会では、会員を対象とした「こなみずき」の特性の把握や生産技術の向上のための研修会を開催している。例年、植え付け前の2月頃に開催しているが、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大の影響もあり今年度は、8月の開催となった。

  はじめに、生産者部会の部会長である前村氏が挨拶し、「水害や長梅雨等の自然災害、サツマイモ基腐病等の蔓延、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大による外食産業の低迷などを受け、かんしょ生産は逆風の中にあるが、研修会で学んだことを今後に活かして欲しい。」と述べた。

 次に、JA鹿児島県経済連 農産事業部米穀特産課の山形主査が、令和元年産のこなみずき生産に関する最近の情勢報告を行い、県内で病害が広く発生し、こなみずきの被害も大きく、罹病前の早期収穫を余儀なくされたことを説明した。
 その後、当機構鹿児島事務所の小笠原所員が、機構作成のパンフレット等を用いて、でん粉の内外価格差の現状や価格調整制度の仕組みについて、説明した。

 このほか、鹿児島県南薩地域振興局の橋本農業技師による講義では、近年、猛威を振るっているサツマイモ基腐病のほか、サツマイモつる割病による傷口からの細菌侵入を発端とする細菌性の軟化腐敗が多い点について言及があった。 
それらの病害対策として、ほ場の排水対策、種いもの選別、種いも及び採取した苗の消毒等の基本技術の励行が被害軽減に向けて重要であるとの説明があった。

 講義後の質疑応答では、こなみずきの耐病性に関する質問や病害克服のために飼料作物を用いる輪作体系に関する質問があったほか、こなみずきの今後の展望について情報提供を求める声なども挙がり、活発な意見交換がなされた。
最後に、生産者部会副会長の花立氏が閉会の挨拶として、かんしょ生産者数の減少傾向を改善するため、生産振興に力を入れることも重要であると述べた。
写真 2 生産者部会の様子
写真 2 生産者部会の様子
写真 3 制度説明を行う小笠原所員
写真 3 制度説明を行う小笠原所員
 当事務所では、こなみずきでん粉を含めたかんしょでん粉の生産基盤の強化が今後の重要な課題であると認識しており、今後、令和3年産の生産に向け、でん粉原料用いも生産者の経営の安定・発展に寄与することを目的として、制度周知のリーフレット配布や各種広報誌、機関紙への記事掲載を行うなど、制度周知に向けた取り組みに努めてまいりたい。

【参考資料】
 ※1 でん粉情報2017年11月号「かんしょでん粉の食品用途拡大に向けたJAグループ鹿児島の取り組み」
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:鹿児島事務所)
Tel:099-226-4741