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【まめ知識】酪農“危機”の実態を、北海道大学の研究グループが解明

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最終更新日:2024年7月5日
広報webマガジン「alic」2024年7月号
 近年、物価上昇が持続する中、食料品においても断続的な値上げが続いています。このような中、酪農経営(生産コストと所得)について、農林水産省の公表資料で見てみると(注1)、生乳1kg当たりの生産コストは、平成28年度以降は増加傾向で推移し、令和4年は、飼料費の高騰や光熱動力費の上昇等により、大きく増加しました。
 一方で、生乳1kg当たりの所得は、生産コストの増加等により、平成29年度以降は減少傾向で推移し、令和4年は収入がほぼ横ばいで推移した中、生産コストが大幅に増加したこともあり、所得は大きく減少しました。

(注1)参考資料:農林水産省畜産局「畜産・酪農をめぐる情勢」(令和6年5月)

 
<農林水産省:畜産・酪農をめぐる情勢 令和6年5月>                                      (注1)参考資料:農林水産省畜産局「畜産・酪農をめぐる情勢」(令和6年5月) https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/tikusan/attach/pdf/bukai 602-14.pdf
 このように酪農現場では厳しい状況が続く中、令和6年5月、北海道大学大学院農学研究院の小林国之准教授らの研究グループは同大のプレスリリース(注2)にて、北海道の草地型酪農地帯における酪農“危機”の影響について、地域・個別経営の具体的データを基に実証的に明らかにしたと発表しました(注2)
 
【ポイント】
 ・2023年は、キャッシュフロー(注3)が好況期(2018年)に比較して25億円減。
 ・可処分所得がマイナスの経営が地域全体の17.8%で平均マイナス額1,100万円。
<北海道大学プレスリリース(研究発表)>
 今後は、酪農経営のスタイルが異なる畑地型酪農地帯においても同様の調査を行うことで、北海道における酪農危機の実態と持続的発展に向けた課題の明確化、支援のあり方を明らかにすることができるとしています。

詳細は、下記プレスリリースをご覧ください。
(注2)北海道大学プレスリリース(研究発表)(令和6年5月23日)
   「酪農“危機”の実態を地域・個別経営レベルで解明
    〜北海道草地型酪農地帯の実態分析から未来の酪農のあり方を展望する〜」
    https://www.hokudai.ac.jp/news/2024/05/post-1480.html
(注3)1年間酪農経営を行った結果として、翌年の経営再生産に必要な資金源。

 このような中、当機構は引き続き農林水産省や関係機関と連携し、より実効性の高い支援を実施とともに、日本の生産基盤を維持する取り組みを継続してまいります。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196