ホーム >  消費者コーナー >  広報誌 >  【まめ知識】(防災と砂糖)カンパンに氷砂糖が入っているワケ

まめ知識

【まめ知識】(防災と砂糖)カンパンに氷砂糖が入っているワケ

X
印刷ページ
最終更新日:2024年9月5日
広報webマガジン「alic」2024年9月号

(理由1)口や喉の渇きを潤す

1
 まず一つ目は、口や喉の渇きを潤す効果です。カンパンを製造している会社によると、氷砂糖(金平糖)によって唾液(だえき)の分泌を促し、水分の少ないカンパンを食べやすくするためとされています。非常時には水が手に入りにくいことも考えられるため、氷砂糖をなめることにより唾液で口内が潤うことを利用した理にかなった組み合わせだったのですね。
 また、災害時は水分が不足するだけでなく、ストレスや緊張により唾液の分泌が減少して口や喉が渇きやすくなるといわれています。唾液の分泌が促されて口の中が潤うことでウイルスなどの感染予防効果も期待できます。

(理由2)疲労回復

2
 二つ目は、疲労回復効果です。私たちは血糖値が低下した時に空腹や疲労を感じます。そんな時、即効性のあるエネルギー源として血糖値を上げる働きをするのがブドウ糖です。
 氷砂糖の原料である砂糖は、摂取するとすぐに小腸でブドウ糖と果糖に分解されて血中に取り込まれ、エネルギーとなることによって疲労回復効果を発揮します。ごはんやパンなどに含まれるでん粉にもブドウ糖が含まれていますが、砂糖と比べると体内で消化・吸収されるまでに時間がかかります。それ故、落ち着いて食事をとることが難しい避難生活下や体力を消耗する復旧作業時には、脳をはじめとする主要臓器へすみやかにエネルギーを届けられる砂糖が優れているといわれています。

(理由3)心身の癒やし

3
 三つ目は、精神を安定させる効用です。日常の中でも甘いものを食べるとホッと癒やされることがあると思います。砂糖には気持ちを落ち着かせる働きをするセロトニンや、ストレスを和らげて心身をリラックスさせる働きをするβ―エンドルフィンといった神経伝達物質の産生を促す作用があります。そのため、氷砂糖などの甘いものは災害時や非日常下での緊張と不安な気持ちを解きほぐしてくれる重要なアイテムといえるでしょう。
 実際に、東日本大震災では命をつなぐための食料だけでなく、甘いものを求める声も多かったことが報告されています。
 ここまで身体への効果を紹介しましたが、砂糖自体の防腐性も長期保存が求められる備蓄食料に向いており、練りようかんもこの性質を生かした非常食の一つです。特に、氷砂糖は常温でも品質が安定していることから長期保存に優れ、そのまま摂取できることから備蓄用や携帯用の食料として昔から重宝されてきました。
 
 もちろん、備蓄食料だけでなく常日頃からお砂糖の力を上手に取り入れていきたいですね!!
砂糖と防災グッズ
(調査情報部 企画グループ)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196