寄稿
【寄稿】那須塩原市の「ミルクタウン戦略」〜ミルクでつなぐまちづくり〜
最終更新日:2024年9月5日
広報webマガジン「alic」2024年9月号
那須塩原市 産業観光部 農務畜産課
畜産振興係 係長 松本 寿道
はじめに
那須塩原市の「
ミルクタウン戦略」は、生乳産出額全国2位
※のまちとして、市民、生産者、事業者、市が協働し、更なる魅力ある酪農のまちづくりを推進することを目指しています。
「
ミルクタウン戦略」は、平成27(2015)年4月に施行した「那須塩原市牛乳等による地域活性化推進条例」(通称:牛乳で乾杯条例)を推進するため、平成29(2017)年3月に策定しました。
令和5(2023)年3月に戦略の見直しを行い、現在は、「仲間とつながる」「魅せるものをつくる」「見せる場をつくる」「安心して働ける場をつくる」を基本目標に掲げ、魅力ある酪農のまちづくりや牛乳、乳製品の高付加価値化に向けて取り組んでいます。
参考:
那須塩原市ミルクタウン戦略 (PDF)
※ 農林水産省の統計における市町村別農業産出額(推計)
市ブランドキャラクター「みるひぃ」
皆様に牛乳や乳製品に親しみを持っていただくため、牛乳消費拡大PRキャラクター「みるひぃ」が誕生しました。
「みるひぃ」は、ドイツ語で「牛乳」を表す「milch」から呼び名を取り、大人から子どもまで愛され、親しみをこめて読んでもらえるよう、「ひらがな」表記としています。
現在は、那須塩原市のブランドキャラクターとして、多くの方に愛されながら、牛乳や乳製品の普及啓発活動をしています。
「牛乳で乾杯」で地域活性化
那須塩原市以外にも「牛乳で乾杯」に取り組んでいる自治体や団体等はありますが、那須塩原市では、9月2日を「那須塩原市牛乳の日」として日本記念日協会に登録していることもあり、多くの問合せをいただいています。
これまで、「那須塩原市牛乳の日」のイベントやSNSキャンペーンを実施してきましたが、令和5(2023)年からは、隣県の福島県南会津町が実施する「南会津の日本酒で乾杯イベント」でも牛乳で乾杯を実施し、那須塩原市内だけではなく、県外でも牛乳で乾杯による牛乳や乳製品の消費拡大のPRを図っています。
令和6(2024)年8月には、「牛乳で乾杯」で地域を更に盛り上げようと、地元商工会青年部、酪農組合の青年会等の皆さんが一念発起し、「牛乳で乾杯」でギネス記録更新に挑戦するというイベントを実施し、地域を盛り上げてくださいました。残念ながら、ギネス記録更新とはなりませんでしたが、様々な業種の方々が垣根を越えて、「牛乳で乾杯」で地域の活性化に取り組む姿に、胸が熱くなりました。
牛柄の郵便ポスト
那須塩原市は、JRの新幹線駅「那須塩原駅」があり、観光客も多くお越しになります。
那須塩原市が生乳産出額全国2位のまちであることをより多くの皆様に知っていただくため、郵便局様に協力をいただき、令和5年度に市内10カ所の郵便ポストを牛柄にしました。今年度も牛柄の郵便ポストを増やしていくことを計画中です。
牛柄は、郵便ポストだけはありません。JR那須塩原駅様の御協力により、JR那須塩原駅の構内にも牛柄デザインがあります。那須塩原市にお越しの際は、是非、牛柄を探してみてください
高校生料理コンクール
高校生になると、学校給食がなくなり、牛乳や乳製品を摂取する機会がこれまでよりも少なくなります。そんな高校生にも、牛乳や乳製品を摂取する機会を持ってもらうため、令和5年12月に栃木県内の高等学校を対象とした牛乳・乳製品料理コンクール及びアート展示会を開催しました。
料理コンクールには、栃木県内の高等学校6校9チーム、展示会には、3校が参加してくださり、高校生ならではのアイディアで盛り上げてくれました。料理コンクールの最優秀賞に輝いた料理のレシピは、市内外のスーパー等で販売される那須塩原ブランド認定「那須塩原牛乳」のパッケージに掲載しました。
今年度は、牛乳のレシピ部門だけではなく、和牛のレシピ部門も新たに追加し、それぞれの部門で最優秀賞に輝いたレシピの料理を市内の飲食店で提供する予定ですので、御期待ください。
参考:
「那須塩原牛乳」のパッケージ(外部リンク)
これからの酪農
ある若手酪農家は、「これからの酪農は、生乳を搾ってそれで終わりではない。消費者が何を望んでいるかを常に意識し、販売まで動くことが重要。酪農全体が盛り上がるのであれば、誰がヒットを打ってもいい。」と話してくれました。
酪農をめぐる情勢は、経営者の高齢化、後継者不足による離農が進み、酪農戸数が減少していますが、この「ミルクタウン戦略」に掲げる事業を市民、生産者、事業者、関係機関等と私たち行政が力を合わせて取り組んでいくことで、市全体で「酪農を主軸とする地域活性化」への力強い潮流を作り、生産者の意欲の向上、牛乳や乳製品の高付加価値化に繋げていくことで、魅力ある酪農のまちづくりを推進していきます。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196