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今月のやさい:はくさい

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最終更新日:2026年1月5日
広報webマガジン「alic」2026年1月号
 はくさいの旬は、冬。寒さに当たって、甘みがグッと増したはくさいは、冬の定番の野菜の一つです。和食によく合い、鍋にも漬物にも使われているはくさい、実は日本で栽培されるようになったのは明治以降と、ブロッコリーやカリフラワーといった欧米から導入された野菜と同時期です。それまでは、葉物野菜といえばツケナ類でしたが、栽培方法が確立されると、一気に全国に広まり、食卓には欠かすことのできない野菜の一つになりました。

概要

 はくさいはアブラナ科の二年草で、かぶやアブラナと同じ祖先から分化しました。祖先となる野生種がヨーロッパで発見されており、それが中国に伝来して結球はくさいとして栽培化されました。日本には明治前期に明治政府による外来野菜の導入政策の一環として清国(当時)から取り入れられましたが、育採種技術の確立ができず、なかなか育成が進まなかったとのことです。その後、日清戦争の時に大変美味しい野菜として種を兵士が持ち帰り、宮城県で「松島群」、愛知県で「野崎群」、石川県で「加賀群」という日本の三大品種群が作られました。この品種群の種子の供給体制が確立したことで、一気に各地に広まったといわれています。
 このように各地に広まったはくさいですが、東北・北関東(宮城県・茨城県)を中心に大規模な産地が形成されました。生産したはくさいを遠距離輸送によって大消費地(東京都)に運ぶという、現在、多くの野菜の生産構造としてある輸送園芸産地の先駆的なものとなったようです。

 
 
はくさい実用化年代

生産・流通

 はくさいは、大きく分けて結球タイプ、半結球タイプ、非結球タイプがありますが、現在日本で流通しているのは、ほとんどが結球タイプです。また、この結球タイプで、現在主流となっているのは、黄芯(おうしん)系と呼ばれる内側が黄色くなる系統です。甘味が強く鍋物や漬物に合うとされています。
 葉数が少なく巻きのゆるい、約60日くらいで収穫ができる早生(わせ)品種が夏にも出回りますが、はくさいの本番は秋から冬にかけてで、冬が深まるにつれ、約120日くらい栽培する、葉数が多くずっしりと詰まった晩生(おくて)品種が店頭に並びます。この晩生品種は葉を縛って越冬させ、春まで収穫することができます。
 店頭ではあまり見ることはありませんが、道の駅や産地直送の売り場などでは、さまざまな種類のはくさいも見ることができますので、見かけたらぜひ味の違いを試してみてはいかがでしょうか。
 
<はくさいの種類>
 上述のとおり、明治時代に栽培されるようになったはくさいは、作付面積を伸ばしていきますが、1960年代頃を頂点に減少へと転じます。2023年におけるはくさいの作付面積は1万5600ha、収穫量は85万2100トンとなっています。はくさいに限らず多くの野菜の品目で、生産は減少していますが、特に重量野菜と呼ばれるだいこん、はくさいなどは、生産者の高齢化による収穫・出荷調製作業の負担が大きく減少幅が大きいと言われています。

 
<資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」>
 作付面積および収穫量を見ると、秋冬はくさいが7割を超えています。また、作付面積および収穫量とも第1位は茨城県、次いで長野県となっています。
<資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」>
 市場入荷量を見ると、東京都中央卸売市場、大阪府中央卸売市場ともに秋冬はくさいの出荷時期である10月から大きく増えてきます。また夏場は、長野県産が東京都中央卸売市場及び大阪府中央卸売市場とも高い占有率となっており、この2県の産地リレーにより一年を通して手に入ることが可能となっています。
 また、はくさいは、従来から漬物など加工業務用としての利用割合が高く、これら加工業者が市場を経由せずに直接取引される割合が高いことも特徴です。

 
東京都中央卸売市場
大阪中央卸売市場

栄養

 はくさいは、大部分が水分で、くせもなく漬物から煮込み料理まで幅広い料理に使える万能野菜です。カリウムが含まれ、むくみ予防や高血圧抑制効果が期待されます。カリウムは、煮るとスープの中に溶けだす性質があるので、スープ料理にすることで栄養成分を効率的に摂取することができます。また、はくさいに含まれる食物繊維には、整腸作用があります。加熱調理でやわらかくすると消化がよくなるので、胃腸が弱っている時や体調を崩した時にも利用できます。

 ときどきはくさいに黒い斑点がある場合がありますが、はくさいの生理障害によって生じたポリフェノールです。気温が高かったり低かったり、肥料が多すぎたりといった栽培環境のストレスが原因といわれています。カビや病気でなく、食べても全く害はありませんので、安心してお使いください!
 

 
一口メモ
漬物生産量の推移
◆はくさいの世界をもっと知りたい方はこちらへ
 ・野菜情報(2026年1月号)今月の野菜:はくさいのあれこれ 〜冬のホッとな食卓に欠かせない「はくさい」〜
 ・野菜情報(2026年1月号)産地紹介:三重県JA鈴鹿 加工用はくさいにおける「ジャストインタイム」出荷に向けた取り組み 
 
レシピ
<参考文献>
 ・秀明大学紀要 16 23-38,2019-03-31「近代日本における外来野菜普及の史的展開−キャベツ・ハクサイを中心にー」清水克志
 ・鎌倉女子大学紀要 第26巻 2019年1月「キムチの消費動向と意識調査の結果について」岩田健
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 総務部 (担当:総務広報課)
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