那覇事務所 青木 敬太
平成28年8月12日(金)に糸満市の沖縄県農業研究センターの大会議室において、沖縄農業研究会第55回大会が開催された。
本研究会は、昭和37年に沖縄農業研究の再建、生産技術の向上とその発展を目指して、当時の関係者がお互いの研究成果を持ち寄り、発表・討議の場として設立されたものであり、沖縄農業の展開方向を模索し亜熱帯農業の確立を目指して活動を行っている。
本研究会では、機関誌「沖縄農業」の発行、沖縄農業に関する論説、新技術・研究室の紹介、研究・行政情報の提供など農業現場に役立つ情報を提供することに加え、シンポジウムや生産技術セミナーを通じ、情報交流も行っている。
本大会は、沖縄のサトウキビ、園芸農業、熱帯果樹の安定的拡大など、農業振興に関する研究発表を行っており、毎年開催されている。55回目を迎える今年の大会は、講演が25本、ポスターセッションが16本あり、糖業関係者、学識経験者、行政関係者、学生など多くの関係者が参加した。各発表後の質疑応答においても、参加者からは積極的な質問があり、活発な議論が繰り広げられた。
本大会の研究発表でサトウキビに関わる講演については以下の通りである(研究発表の題目に「サトウキビ」の名称を含むもののみ抜粋)。
・日伸長速度から見たサトウキビの効果的な潅水時期
・糖蜜施用によるサトウキビ株出し栽培の収量
・品質及び土壌化学性への影響
・赤土等流出防止技術はサトウキビ増収技術 ・沖縄県本島北部のさとうきび生産現状と課題
・イソウロン粒剤の土壌処理によるサトウキビの生育、収量と除草効果
本大会は、サトウキビ生産の振興のためには視野を広くもった研究が不可欠であることを強く印象付けるものとなった。これらの研究成果が実を結び、さらなるサトウキビの増産につながっていくことを期待したい。