平成28年度第2回地域情報交換会を開催(那覇事務所)
最終更新日:2016年12月13日
平成28年12月
覇事務所 石丸 雄一郎
当事務所は、平成28年11月29日(火)、那覇市内で平成28年度第2回地域情報交換会を開催し、沖縄気象台 地球環境・海洋課 技術専門官 足立典之氏による出前講座を実施した。講座では、昨年度の製糖期にさとうきびの糖度や工場の操業に影響を与えた長雨の気象的要因などについて、解説が行われた。
今回の交換会には、沖縄県農業協同組合、甘しゃ糖製糖事業者・団体、行政機関など30余名が参加した。
はじめに、寺西徹能那覇事務所長が「さとうきびは沖縄の基幹作物であり、その豊凶は、台風や干ばつなど様々な影響を受ける。そこで、台風や沖縄の今後の気象の動向について講演をいただき、参加者の皆さんの業務の参考にしていただきたい」とあいさつした。
会場の様子
あいさつを行う寺西那覇事務所長
続いて、足立氏が「台風の知識と沖縄地方の今年の天候について」と題し講演を行った。
前半では、台風に関する情報について、情報の入手および活用方法、予報経路図の見方などが説明され、後半では昨年から本年にかけて沖縄の気象に大きな影響を及ぼしたエルニーニョ現象についての解説があった。
エルニーニョおよびラニーニャ現象は、地球の大気・海洋の変動のうち、年々の時間スケールで変動する気象現象であり、半年程度先までなら、ある程度高い精度で予測が可能である。昨季の製糖期の長雨については、「エルニーニョ現象が生じたために、冬場に高温多雨となる現象の特徴が現れたことが要因であった」と説明された。また、本年の沖縄県への台風直撃が例年に比べ少なかったことに関しては、「台風の発生率が平常時より少なくなり、発生位置も南東にずれる傾向がみられるエルニーニョ現象の影響を受けたものである」とのことであった。
最後に、この冬の沖縄地方の天候について、降雨、気温ともに「ほぼ平年並み」との予測が示された。
足立氏による出前講座の様子
講座終了後は、参加者から台風の滞在時間、干ばつ発生時のデータの収集方法などが、質問されるなど、質疑応答が行われ、参加者らが講義内容の理解を深めている様子であった。
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