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平成30年度沖縄県「防風林の日」関連行事の開催について

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最終更新日:2018年12月21日

那覇事務所 山神尭基

はじめに
 本年9月末の台風24号や10月初めに発生した25号は、久米島を含め沖縄県におけるさとうきび、その他農作物や農業用施設等へ多大な被害を与えた。こうした被害を少しでも低減するためにも、防風・防潮林の整備を加速することが必要である。しかし、これまでもこうした整備は進められているものの、植樹を行ってから防風林としての効果を発揮するまで生育に時間を要することなどから、今なお十分とはいえない状況にある。
 このため沖縄県では、農家はもとより広く県民に防風・防潮林整備の重要性を理解してもらうことを目的とし、11月の第4木曜日を「防風林の日」と定め、防風・防潮林についての普及活動に取り組んでおり、沖縄県防災農業推進会議の主催により表彰、講演会、植樹活動などを行っている。
 今年度は、11月22日に9年ぶりの開催となる久米島において、「防風林の日」関連行事が以下の3部構成で開催され、生産者や行政などの農業関係者約80人が出席した。
 
第1部 防災農業推進講演会

 沖縄県農林水産部営農支援課副参事の伊志嶺正人氏と、沖縄県農林水産部森林資源研究センター研究員の新垣拓也氏を講師に迎え、両氏による講演が行われた。

・「防風林の日」−これまでの振り返りを通して次の段階へ−
 伊志嶺副参事から、これまでの防風林に対する取組状況、潮風害の発生のメカニズム、防風林の役割と効果や防風林を永く保持するためのポイントに加え、事業等を活用した防風林の管理などについて説明された。

・防風林の役割とその効果について
 続いて新垣研究員からは、沖縄県における防風・防潮林の配置例を紹介するとともに、防風林の主な機能、樹種の選定、配置方法などが説明された。また、防風林の整備・管理として、植栽前後の管理方法を様々な事例や写真などを交えて解説され、植栽する際には5年〜20年後の将来の姿を想定しながら配置や品種の組合せが大切であると述べたほか、地域のみんなでより良い農村環境を目指して防風林を守り、育てることの重要性について説明された。
 
【伊志嶺副参事(左)と新垣研究員(右)の講演】
【伊志嶺副参事(左)と新垣研究員(右)の講演】

第2部 沖縄県防災農業賞表彰式

 防風・防潮林を積極的に整備し、また、他の地域の模範となる取組を行っている次の個人と団体に沖縄県防災農業賞の表彰が行われた。

個人の部:安里 正明氏
 同氏は、防風林の剪定や周辺地域の草刈り作業を年3回行うとともに、近隣農家に対して防風林の設置のための助言などを行っている。

団体の部:字イーフ(代表:富永 肇氏)
 同団体は、平成18年に設立され、防風林に関して、播種、育苗、植栽、管理及び周囲の草刈りなどに加え、歩道のさとうきび倒木の確認管理などにも取り組んでいる。
 
【表彰された安里氏(画像左)と佐久田氏(富永氏代理)(画像右))】  
【表彰された安里氏(画像左)と佐久田氏(富永氏代理)(画像右))】  

第3部 植樹大会

 開催地である久米島の大田町長からの挨拶、当機構の近藤副理事長からの挨拶、生産者代表からのスローガン・がんばろう三唱、小学生が描いたポスター原画コンクール表彰式、次年度開催地である読谷村への引き継ぎセレモニーが行われ、最後に、約200本のテリハボク苗木の植樹を関係者や久米島の児童ら参加者全員で行った。
【引き継ぎセレモニーの様子】                      【記念植樹の様子】
【引き継ぎセレモニーの様子】                      【記念植樹の様子】

おわりに

 防風・防潮林は、その効果を発揮するまでに時間を要することから継続的な植樹活動や維持・管理が重要である。そして、「防風林の日」の関連行事は、多くの方にその重要性を伝えることができる貴重な機会となっている。  当機構としても、生産者や県民に防風・防潮林への理解がより深まるよう、情報提供に努めてまいりたい。
【久米島の小学生が描いたポスター原画展】                【最優秀賞・優秀ポスター原画】
【久米島の小学生が描いたポスター原画展】                【最優秀賞・優秀ポスター原画】
【平成21年度に植樹されたテリハボク】
【平成21年度に植樹されたテリハボク】
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農畜産業振興機構 農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:那覇事務所)
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