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令和元年度「防風林の日」関連行事の開催について

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最終更新日:2019年12月6日

那覇事務所 佐藤 哲史

はじめに

 沖縄県は台風や季節風等により、年間を通じて強い風が吹く環境にあり、毎年のように、風や風で巻き上げられた海水による農作物や農業関連施設等への被害が発生している。強風や塩害対策のひとつとして、ほ場の周辺や海岸部に防風・防潮林を整備することがあげられる。
 このため沖縄県では、農家はもとより広く県民に防風・防潮林の重要性を理解してもらうため、11月の第4木曜日を「防風林の日」と定め、沖縄県防災農業推進会議が中心となって防風林に関する講演会や植樹大会等を実施している。
 14回目となる令和元年度は、11月28日に読谷村地域振興センター(沖縄県読谷村)において、「防風林の日」関連行事が開催され、生産者や行政等の農業関係者約90名が出席した。

第1部 防災農業推進講演会

 沖縄県森林資源研究センターの新垣拓也氏が「防風林の効果と造成方法について」と題して、講演した。
 初めに、防風林の効果について、風速を約半分程度に弱める半減域と呼ばれる範囲は、防風林の樹高の約20倍に及ぶことや、過密な林帯は風速が弱まる割合は大きいものの、半減域は狭くなるといった密閉度による効果の違い等を説明した。
 次に、防風林を設置する際の樹種選定と配置について、樹種の特性を考えたうえで、複数の樹種により短所を補い合うことや、5年後、10年後の林型を想定して樹種の組合せや配置を考えることが重要であるとした。
 また、植栽後の防風林の整備については、下草刈りや施肥、間伐、剪定等の管理を定期的に行うことで防風林として耐風性を持たせることが重要であるとした。
新垣氏の講演
新垣氏の講演

第2部 沖縄県防災農業賞表彰式

 防風・防潮林を積極的に整備し、また、他の地域の模範となる取組を行っている次の個人と団体に沖縄県防災農業賞の表彰が行われた。

〇個人の部:仲地 研氏
 金武町の仲地氏は、花きを生産する自身のほ場や栽培施設の周りに防風林を設置し、整枝、剪定及び施肥等による模範的な管理を行っている。

〇団体の部:読谷地域農地・水・環境保全管理協定運営委員会
 同委員会は、村内の各自治会と連携して、防風林帯の草刈作業や台風等により倒木した防風林の撤去作業を行っている。
表彰:個人の部
表彰:個人の部
表彰:団体の部
表彰:団体の部

第3部 植樹大会

 植樹に先立ち、開催地である読谷村の仲宗根副村長に続いて、当機構の坂本理事が、この植樹大会の開催をきっかけに、防風林の整備が加速し、農産物生産の増強と関連産業の発展されることを祈念すると挨拶した。
 その後、関係者による記念植樹を行い、一般植樹として、参加者全員でフクギとオキナワシャリンバイの苗木270本の植樹を行い、閉会した。
挨拶する坂本理事
挨拶する坂本理事
記念植樹
記念植樹
一般植樹
一般植樹

おわりに

 防風・防潮林の整備には、5年、10年という長い期間と継続的な管理が求められる。そのため、「防風林の日」は、その効果や重要性を改めて認識し、その整備を継続するうえで重要な機会となっている。
 当機構としても、沖縄県の農業にとっての防風林・防潮林の重要性について、生産者や県民への情報提供に努めてまいりたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:那覇事務所)
Tel:098-866-1033