さとうきび品質取引指導者研修会の開催について
最終更新日:2020年11月2日
那覇事務所 大塚 健太郎
令和2年10月27日(火)、沖縄県沖縄市の沖縄市農民研修センターにおいて、公益社団法人沖縄県糖業振興協会(以下「糖振協」という)が主催する「さとうきび品質取引指導者研修会」が開催された。この研修会には、JA、製糖企業、県および市町村の関連職員など約30名が参加した。
さとうきびの品質取引とは?
製糖工場では、生産者からのさとうきびを搬入する際に、トラックで運ばれてきたさとうきびの山からサンプルを取り出し、トラッシュ(葉や病害虫などにより傷んで砂糖にならない部分等)を除いた原料茎(清浄原料と呼ばれる)に含まれる砂糖分の割合を甘蔗糖度として測定している。この結果に基づいて、さとうきびの買入単価が決まり、これと原料重量により算定された原料代が生産者に支払われている。これを品質取引と呼んでいる。
甘蔗糖度によってさとうきびの買入単価および当機構がさとうきび生産者に交付している甘味資源作物交付金の単価が決まるため、品質取引は、製糖工場、生産者双方にとって収支に直結する重要な工程である。
この品質取引制度は平成6年に導入された。それ以前は、重量による買上げであったが、品質取引制度の導入により甘蔗糖度によって単価が変わるため、生産者にとってより高品質なさとうきびを生産するためのインセンティブとなっている。
サンプルを採取する設備(2020年2月撮影)
採取されたサンプル(2020年2月撮影)
研修会の概要
糖振協は、さとうきび品質取引制度の円滑な運営を推進することを目的に設立された法人であり、現在はさとうきびの生産振興、分蜜糖振興対策および含蜜糖振興対策を推進する業務も担っている。品質取引においては、沖縄県さとうきび品質取引実施要綱およびさとうきび品質測定に係る問題処理要領により、さとうきびの品質測定方法などについて定めるとともに、毎年、この研修会を実施している。また、各製糖工場に立会人を設置し、公平かつ適正な品質取引を推進している。
今回の研修会では、糖振協の担当者より、さとうきび産業に携わる者を対象に、これらの要綱・要領に基づき、サンプルの採取方法、甘蔗糖度の測定方法、問題発生時の処理方法など、さとうきびの品質取引制度がどのように運用されているのかについて説明があった。
参加者は真剣に耳を傾け、研修会終了後には熱心に質問をする姿が見受けられた。
研修会の様子
沖縄県では、例年、12月ごろからさとうきびの収穫がはじまり、製糖期が開始する。このような研修を通じて、令和2年産のさとうきびについても引き続き適正かつ円滑に品質取引制度が実施されることを期待するとともに、当機構としては、交付金制度の適正かつ円滑な実施に努めてまいりたい。
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