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さとうきび品質取引指導者研修会の開催について

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最終更新日:2021年11月22日

那覇事務所 片倉 杉夫

さとうきびの品質取引とは?

 令和3年11月10日(水)、沖縄県の沖縄市農民研修センターにおいて、公益社団法人沖縄県糖業振興協会(以下「糖振協」という)が主催する「さとうきび品質取引指導者研修会」が開催された。この研修会には、JA、製糖企業、県および市町村の関連職員など20名が参加した。
 
さとうきびの品質取引とは?
 製糖工場では、生産者からさとうきびを搬入する際に、トラックで運ばれてきたさとうきびの山からサンプルを取り出し、トラッシュ(葉や病害虫などにより傷んで砂糖にならない部分など)を除いた原料茎(清浄原料と呼ばれる)に含まれる砂糖分の割合を甘蔗糖度として測定している。この甘蔗糖度によりさとうきびの買入単価を決めることを品質取引と呼んでいる。
 甘蔗糖度によってさとうきびの買入単価および当機構がさとうきび生産者に交付している甘味資源作物交付金の単価が決まるため、品質取引は、製糖工場、生産者双方にとって収支に直結する重要な工程である。
  この品質取引制度は平成6年産から導入され、甘蔗糖度により買入単価が高くなったり、低くなったりする制度となっている。それ以前は、重量による買入であったため、重量(生産量)が優先され品質に対する関心が薄れていたことから工場の生産性の低下につながっていた。
 一方、生産者は、甘蔗糖度が高くなるほど買入単価が上がるため、生産意欲が高まるという効果をもたらせている。
 


 
サンプルを採取する設備(2020年12月撮影)
サンプルを採取する設備(2020年12月撮影)
採取されたサンプル(2020年2月撮影)
採取されたサンプル(2020年2月撮影)

研修会の概要

 糖振協は品質取引において、沖縄県さとうきび品質取引実施要綱・さとうきび品質測定要領およびさとうきび品質測定に係る問題処理要領を整備し、製糖期中に中立的な第三者である品質取引立会人を全製糖工場へ配置し、工場内で実施される品質取引の公正性を確保している。また、品質取引情報の蓄積と解析を行い、関係機関へフィードバックし、生産振興に役立てるとともに、毎年、品質取引担当者の知識・能力向上のための研修会を実施している。
 今回の研修会では、沖縄県さとうきび品質測定取引実施要綱・さとうきび品質測定要領およびさとうきび品質測定に係る問題処理要領により、サンプル採取点数は原則搬入トラック1台につき1点とすること、採取重量は1サンプル当たり約5kgとし、全量をサンプルとすること、また、採取したサンプルは別に定めるトラッシュ選別基準により清浄原料とトラッシュに分けること、品質測定装置が故障し復旧に24時間以上要する場合には状況に応じた算出法によりみなし糖度を適用することなどが定められていることの説明があった。
同研修会に参加した者は、真剣に耳を傾け、熱心に質問をしている姿が見受けられた。

 
 
研修会の様子
研修会の様子
 沖縄県では、例年、12月ごろからさとうきびの収穫がはじまり製糖が開始されることから、この研修を通じて、令和3年産のさとうきびについても引き続き適正かつ円滑に品質取引が実施されることを期待するとともに、当機構としては、適正かつ円滑な交付金の交付に努めてまいりたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:那覇事務所)
Tel:098-866-1033