令和3年11月10日(水)、沖縄県の沖縄市農民研修センターにおいて、公益社団法人沖縄県糖業振興協会(以下「糖振協」という)が主催する「さとうきび品質取引指導者研修会」が開催された。この研修会には、JA、製糖企業、県および市町村の関連職員など20名が参加した。
さとうきびの品質取引とは?
製糖工場では、生産者からさとうきびを搬入する際に、トラックで運ばれてきたさとうきびの山からサンプルを取り出し、トラッシュ(葉や病害虫などにより傷んで砂糖にならない部分など)を除いた原料茎(清浄原料と呼ばれる)に含まれる砂糖分の割合を甘蔗糖度として測定している。この甘蔗糖度によりさとうきびの買入単価を決めることを品質取引と呼んでいる。
甘蔗糖度によってさとうきびの買入単価および当機構がさとうきび生産者に交付している甘味資源作物交付金の単価が決まるため、品質取引は、製糖工場、生産者双方にとって収支に直結する重要な工程である。
この品質取引制度は平成6年産から導入され、甘蔗糖度により買入単価が高くなったり、低くなったりする制度となっている。それ以前は、重量による買入であったため、重量(生産量)が優先され品質に対する関心が薄れていたことから工場の生産性の低下につながっていた。
一方、生産者は、甘蔗糖度が高くなるほど買入単価が上がるため、生産意欲が高まるという効果をもたらせている。