札幌事務所 平石康久
当事務所は、6月13日、14日の両日、(一社)北海道てん菜協会が実施する「てん菜生育状況現地調査」に同行し、平成29年産の十勝地域及びオホーツク地域のてん菜の生育状況について調査する機会を得た。
同調査及び北海道農政部生産振興局技術普及課(以下、「道技術普及課」という)による6月20日発表の情報を踏まえ、平成29年産てん菜の生育状況について以下のとおり報告する。
1. 平成29年産てん菜の作付面積の動向
今年産の十勝地方及びオホーツク地方の作付面積は、昨年度、台風等の天候不順によりてん菜の収量・糖度が落ち込んだことや、飼料作物等の他作物への転換により、一部地域では前年並みと見込まれるものの、全体としては昨年度と比べ、やや減少するものと見込まれる。
ただし、てん菜は北海道の畑作の輪作体系に欠かせない品目であること、経営所得安定対策による下支えが行われていること等から、翌年産の作付面積の回復が期待されている。
また、直播栽培については、平成28年産では作付面積のうち22.2%を占めており、地域差はあるものの、労働力不足を背景に、引き続き増加傾向にあると見られる。
2. 十勝地域の生育状況
4月中旬、発達した低気圧の接近による降雨や降雪、4月下旬に気温低下があったものの、4月及び5月を通してみると温暖な気候で推移し、降水量や日照量も概ね平年並みであった。
このため、道技術普及課の情報によると、植え付け作業は順調に進み、移植終了は5月8日で平年より3日早かった。6月15日現在のてん菜の生育状況は平年に比べ2日早く推移している 。
現地製糖企業の農務担当者への聞き取りによれば、6月に入り気温が低めに推移したことから、前進気味であった生育速度がやや鈍くなったとのことであった。