平成30年度第1回地域情報交換会を開催
最終更新日:2018年6月29日
2018年6月
札幌事務所 小峯 厚
当事務所は、機構が実施する情報収集提供業務について、北海道の関係者から地域の意見や情報ニーズを把握し、より一層の情報精度の向上に努めることを目的として、地域情報交換会を実施している。
今年度1回目となる地域情報交換会は、平成30年6月12日(火)に札幌市の北農ビルにおいて開催し、道内のてん菜製糖事業者、農業関係団体、行政・試験研究機関等から32名の参加があった。
当日は、国際砂糖相場等の動向並びに韓国の加糖調製品の動向について、それぞれ講師をお招きして講演を行うとともに、当事務所からは、当機構が行っている情報収集・提供業務の重点テーマや砂糖の価格調整制度について説明を行った。
以下、その概要を報告する。
1. 当機構が実施する業務の概要説明
当機構が行う業務の概要説明について、当事務所より、(1)砂糖の価格調整制度、(2)平成30年度の情報収集提供業務の重点テーマについて説明し、砂糖生産の重要性及び価格調整制度の果たしている役割について改めて理解を求めた。
会場の様子
2.講演及び報告
(1)講演「粗糖、穀物相場及び船腹市場の動向」
砂糖の国際需給に関する理解を深めていただくため、三菱商事株式会社北海道支社の岡村徳成氏をお招きした。
講演では、砂糖の国際相場の需給について、近年は期末在庫が多く供給過剰となっており、ブラジルにおいては、原油高の影響からエタノールを増産しているものの、インド・タイなどの砂糖生産が好調であるため、引き続き供給過剰となることが紹介された。
また、穀物相場においても米国が大豊作であり供給過剰が見込まれること、船腹市場については、砂糖の取引価格に占めるフレートの割合は2割程度であり、フレート価格は穀物より需要の多い鉄鋼や原料炭の荷動きなどに大きく左右されることについて説明があった。
講演を行う三菱商事株式会社の岡村氏
(2)報告「韓国の加糖調製品の生産および対日輸出の動向」
当機構調査情報部の坂上が韓国における加糖調製品の動向について報告を行った。韓国で生産されている加糖調製品は、原料となる粗糖を豪州から輸入し、ほぼ全量を日本向けに輸出していること、精製糖メーカー3社の寡占状態にあること、また、今後の展望について、加糖調製品をより安価に生産できるシンガポールやタイとの価格競争が激化し、供給構造が変わる可能性があることが報告された。
報告を行う当機構調査情報部の坂上
3. 参加者アンケートの結果
参加者に対してアンケート調査を実施し、25名から回答を得た。その集計結果は以下のとおりである。
地域情報交換会の内容について尋ねたところ、「充実していた」が96%、「どちらでもない」が4%であった。「砂糖の国際相場の需給について、広い知見からの説明で大変面白かった」、「韓国の加糖調製品の欧州のてん菜関係者の生産性向上に向けた取り組みを知る貴重な機会となった」などといった感想が寄せられた。
今後の同様の会議への参加意向については、「参加したい」が92%、「どちらでもない」が8%であった。
今後、砂糖又はてん菜に関して情報誌等で取り上げて欲しいテーマについては、「国内の消費動向に関すること」(回答数:12)、「海外の農業政策に関すること」(回答数:8)、「海外の生産動向に関すること」(回答数:8)、「海外の消費動向に関すること」(回答数:8)といった結果であった。
今回の意見交換会をとおして、北海道の関係者の意識の共有を図ることができた。今後も、地域のニーズに応えた情報提供に努めてまいりたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:札幌事務所)
Tel:011-221-0786