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2019年度地域情報交換会(砂糖)を開催

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最終更新日:2019年7月11日

2019年7月

札幌事務所 小峯 厚
 
 当事務所は、機構が実施する情報収集提供業務について、北海道の関係者から地域の意見や情報ニーズを把握し、より一層の情報精度の向上に努めることを目的として、地域情報交換会を実施している。
 今年度の地域情報交換会は、令和元年7月4日(木)に札幌市の北海道水産ビルにおいて開催し、道内のてん菜製糖事業者、農業関係団体、行政・試験研究機関等から30名の参加があった。
 当日は、砂糖の消費動向と砂糖の需要喚起活動、並びに砂糖をめぐる国際情勢について、それぞれ講師をお招きして講演を行うとともに、当事務所からは、当機構の情報収集・提供業務の重点テーマや砂糖の価格調整制度について説明を行った。
以下、その概要を報告する。
 
1.当機構が行う業務の概要説明
 当機構が行う業務の概要説明について、当事務所より、(1)砂糖の価格調整制度、(2)平成31年度の情報収集提供業務の重点テーマについて説明し、砂糖生産の重要性及び価格調整制度の果たしている役割について改めて理解を求めた。
 
会場の様子
会場の様子
2.講演及び報告
(1)講演「用途別砂糖消費量分析調査の概要及び砂糖の広報活動」
 国内における砂糖の消費動向について理解を深めていただくため、精糖工業会の内田豊氏をお招きした。講演では、精糖工業会が実施した用途別砂糖消費量分析調査の調査報告書に基づき、
・砂糖の消費動向は、チョコレートや洋菓子の商品開発が活性化していることで菓子類の需要が増加しているものの、家庭での調理機会が減少していることで、家庭用の減少に歯止めがかからない。
・乳製品に使用されている砂糖も輸入加糖調製品への切り替えが影響し、減少基調である。との説明があった。
 また、精糖工業会やシュガーチャージ推進協議会が実施している砂糖の需要喚起活動について、料理学校並びに専門学校における授業のタイアップ活動やNHK出版「きょうの料理ビギナーズ」へのレシピ掲載、小学生向けのパンフレット配布等具体的な取り組みが紹介された。
 
講演を行う精糖工業会内田氏
講演を行う精糖工業会内田氏
(2)報告「砂糖をめぐる最近の国際情勢」
 当機構調査情報部の坂上が砂糖をめぐる最近の国際情勢について報告を行った。ロシアでは砂糖の生産が増加していること、てん菜の生産費は日本の半分以下、製糖コストは日本の7割程度であることが説明された。また、中国の砂糖に対する国境措置やインドにおける製糖業者に対する財政支援など砂糖産業を守る動きが紹介され、また、日豪EPAの影響で日本向け輸出の減少したタイが新たな輸出先国として、砂糖消費が旺盛なASEANをターゲットとしていることが報告された。
 
報告を行う当機構調査情報部の坂上
報告を行う当機構調査情報部の坂上
3.参加者アンケートの結果
 参加者に対してアンケート調査を実施し、23名から回答を得た。その集計結果は以下のとおりである。

 地域情報交換会の内容について尋ねたところ、「充実していた」が96%、「どちらでもない」が4%であった。具体的には、「砂糖=悪のイメージをについて、払拭していくことが大切だと思った」、「海外情勢について、大変勉強になった」などといった感想が寄せられた。
 今後の同様の会議への参加意向については、「参加したい」が91%、「どちらでもない」が9%であった。
 今後、砂糖又はてん菜に関して情報誌等で取り上げて欲しいテーマについては、「国内の消費動向に関すること」(回答数:10)、「海外の消費動向に関すること」(回答数:8)、「国内の生産動向に関すること」(回答数:7)、「国内の農業政策に関すること」(回答数:7)、「輸入量及び輸入価格の動向に関すること」(回答数:7)といった結果であった。  
 今回の意見交換会を通して、北海道の関係者の意識の共有を図ることができた。今後も、地域のニーズに応えた情報提供に努めてまいりたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:札幌事務所)
Tel:011-221-0786