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最終更新日:2010年3月6日
でん粉情報 |
[2009年11月]
【生産地から】鹿児島県農業開発総合センター 大隅支場
前号では、4月中旬植え付けのマルチ栽培の生育概要を報告した。今回は5月中旬植え付けの無マルチ栽培の10月時点での生育概要について報告する。
植 付:平成21年5月15日
収 穫:平成21年10月8日
(生育期間147日間)
作 型:無マルチ栽培
栽植様式:畦間90センチ×株間40センチ
(2780本/10アール)
挿苗方法:8節苗水平挿し
7月の平均気温は平年並みであったが、5、6、8、9月は平年を若干上回った(図1)。
図1 平成21年5〜9月の平均気温の推移
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5月から9月は降水量が少なく、日照時間が長かった。特に、植え付け前後の5月上中旬、9月中旬は降雨がほとんどなく、土壌は乾燥状態であった(図2)。
図2 平成21年5〜9月の降水量と日照時間
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植え付け日から7日間降雨がなく、シロサツマ、シロユタカ、コナホマレで欠株が一部に発生したため、植え付け7日後に補植を行った。その後は、天候に恵まれ、生育は順調であった。
シロサツマ以外の総いも個数は平年を下回り、いもの着生率が悪かった。また、1個50グラム以上の上いも個数は、アール当たりシロサツマ834個(平年比94%)、シロユタカ1168個(平年比88%)、コナホマレ1008個(同84%)、ダイチノユメ1314個(同89%)、コガネセンガン1036個(同93%)で全ての品種が平年を下回った(図3、図4、図5、図6、図7)。
図3 シロサツマの上いも収量、個数
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図4 シロユタカの上いも収量、個数
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図5 コナホマレの上いも収量、個数
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図6 ダイチノユメの上いも収量、個数
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図7 コガネセンガンの上いも収量、個数
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1個50グラム以上の上いも収量はアール当たりシロサツマ165キログラム(平年比66%)、シロユタカ299キログラム(平年比90%)、コナホマレ248キログラム(同89%)、ダイチノユメ286キログラム(同103%)、コガネセンガン262キログラム(同97%)で、ダイチノユメ以外の品種は平年よりも少なかった。ダイチノユメは1個重が重く、収量が多かった。その他の品種は上いも個数が少なく、収量が少なかった。また、シロサツマは1個重も軽かった。(図3、図4、図5、図6、図7)。
無マルチ栽培については、植え付け・畦立て前の土壌乾燥の影響などで、いもの着生個数が少なく、ダイチノユメ以外の品種は上いも収量が平年を下回った。
前回マルチ栽培、今回無マルチ栽培についての生育概要調査結果を報告した。4月中旬植え付けのマルチ栽培の生育は順調であるが、5月中旬植え付けの無マルチ栽培は平年に比べ上いも収量が少ない傾向である。
なお、21年産さつまいもの最終的な生育結果については、2月号に掲載する予定である。
平年:シロサツマ(H2〜20年の平均)
シロユタカ(H8〜20年の平均)
コナホマレ(H14〜20年の平均)
ダイチノユメ(H16〜20年の平均)
コガネセンガン(S62〜H20の平均)