第1回「和牛甲子園」は、平成30年1月18日〜19日の2日間にわたり、東京芝浦の東京都中央卸売市場食肉市場において、全国8県15校から53名の高校生と黒毛和牛21頭を集めて開催しました。
初日はまず、和牛肥育体験発表会を行い、各校が持ち時間10分間で、学校の地域特性、飼育環境、肥育目標や直面している課題と対策、今後の展望などについてプレゼンテーションを行いました。各校の発表では、雌牛の卵巣摘出の効果や双子生産の研究、種雄牛造成の取り組みなど、高校生とは思えないような高いレベルの創意工夫あふれる取り組みが紹介され、審査員を驚かせました。
発表会終了後は、和牛肥育ワークショップで枝肉の評価基準やチェックポイントについて学び、初日の終わりには、立食形式の学校交流会を開催し、高校生たちは肥育に関する情報交換をしながら他校の生徒と語らい、交流を深めました。
2日目は早朝に集合して、東京食肉市場の冷蔵庫内で枝肉勉強会を開催しました。現場のプロから各校の枝肉の評価について解説を受け、生徒たちは自らが生産した枝肉を詳細に観察しました。その後は、いよいよ和牛枝肉共励会の開催です。各校とも、自分たちが育てた枝肉がセリにかけられる際には、「○○県立○○高校です!よろしくお願いします!」と元気に買参人にPRしました。出品牛の肉質は21頭中19頭が4等級以上に格付けされ、プロに負けない高い技術力を示すとともに、東京市場に全国から集まる買参人から高い評価を得て、次々と高値で競り落とされました。
共励会終了後は、吉祥寺の行列ができるメンチカツで有名なサトウ食品株式会社の佐藤会長から、海外でも高く評価される和牛の魅力や食肉業界の仕事のやりがいなどについて講演していただきました。そして、最後に表彰式では、緊張した面持ちの生徒たちに入賞校が告げられ、総合評価部門の最優秀賞には岐阜県立飛騨高山高等学校(写真6)が、肉質評価部門の最優秀賞には鹿児島県立鹿屋農業高等学校が輝きました(表)。