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国内の需給動向【豚肉】   畜産の情報 2018年12月号

30年度上半期の冷凍豚肉輸入量、スペイン産がトップに

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 平成30年9月の豚肉需給を見ると、生産量は台風や猛暑の影響などもあり、6万7675トン(前年同月比3.8%減)とやや減少した。輸入量は6万8972トン(同5.5%減)とやや減少した。推定出回り量は14万5081トン(同2.8%減)と前年同月をわずかに下回り、推定期末在庫は前月から8471トン取り崩し、16万7559トン(同2.0%減)と前年同月をわずかに下回った(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。


上半期輸入量、冷蔵品は増加、冷凍品は減少

 平成30年度上半期(4〜9月)の生産量は、繁殖成績の低下や生育不良などで減少した前年同期の反動により、と畜頭数、平均枝肉重量ともに前年同期をわずかに上回ったことから、42万7740トン(前年同期比0.7%増)とわずかに増加した(図3)。

 
図3 豚肉の生産量、輸入量および期末在庫の推移



 また、上半期の輸入量は、46万3756トン(同1.0%増)と前年同期をわずかに上回った。
 このうち、主にテーブルミートとして消費される冷蔵品は、19万8992トン(同3.8%増)とやや増加した。冷蔵品は、米国産とカナダ産で9割以上を占めており、最大の対日輸出国である米国産は、現地の好調な生産などを背景に10万1896トン(同0.6%増)とわずかに増加した。また、近年好調に対日輸出を伸ばしているカナダ産は9万1373トン(同7.7%増)と引き続き増加傾向で推移した。
 一方、主に加工・業務用となる冷凍品は、26万4756トン(同1.0%減)と前年同期をわずかに下回った。国別に見ると、スペイン産やメキシコ産は加工技術の向上などにより近年増加傾向で推移しており、特にスペイン産については、長らく最大の対日輸出国となっていたデンマーク産を抜き、5万9704トン(同6.1%増)と前年同期をかなりの程度上回った(図4)。一方、デンマーク産は、月毎に増減があったものの、上半期計では前年同期とおおむね同水準となった。また、アフリカ豚コレラの発生で輸入停止となったハンガリー産や、対日向けに冷蔵品を増やしているカナダ産、韓国などからの引き合いが増えたチリ産が減少したことから、冷凍品合計では減少となった。
 
図4 豚肉輸入量の国別シェア



上半期の推定出回り量はわずかに増加

 平成30年度上半期の推定出回り量は、全体の約5割を占める家計消費などが好調なことから、国産品と輸入品のいずれも増加し、90万4576トン(前年同期比1.6%増)と前年同期をわずかに上回った。
 また、30年9月の推定期末在庫は、好調な出回り量を背景に、16万7559トン(前年同月比2.0%減)と前年同月をわずかに下回った。


豚枝肉卸売価格は前年同期を下回って推移

 平成30年度上半期の豚枝肉卸売価格(省令価格)は、5月を除き前年同月を下回って推移し、9月は前年同月比16.6%安の512円となった。これは、生産量減少などを背景に前年同期が相場高であったことに加え、国産豚肉と競合性の高い冷蔵品輸入量が増加傾向となったことによるとみられる(図5)。

 
図5 豚枝肉卸売価格(省令価格)の推移
 
(畜産需給部 河村 侑紀)
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