米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2018年11月8日、毎月公表する「Grain:World Markets and Trade」において世界のトウモロコシ需給予測値を更新した。ただし、USDAは今月号の公表と同時に中国の需給推計値を2007/08年度分から遡って修正したため、同国の期末在庫をはじめとする一部の予測値は前月予測から大幅に修正されている。
同レポートによれば、2018/19年度の世界のトウモロコシ生産量は、南米やウクライナで前年度を大幅に上回ることなどから、前年度比2.1%増の10億9895万トンと見込まれている(表17)。
輸出量は、増産が見込まれるウクライナやアルゼンチンで前年度を上回ることから、同6.4%増の1億6091万トンと見込まれている。輸入量は、域内生産量の減算が見込まれるEUで増加することなどから、同6.4%増の1億6091万トンと見込まれている。
消費量は、主要消費国である米国や中国をはじめ、世界的に増加することなどから同4.3%増の11億3236万トンと見込まれている。
期末在庫は、中国でかなり、米国では大幅に下回ることから、同9.8%減の3億751万トンと見込まれている。
2018/19年度の中国の大豆輸入量は前年度比4.4%減
USDA/FASが11月8日に公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、2018/19年度の世界の大豆生産量は、二大生産国である米国とブラジルの生産量がいずれも前年を上回ることから、前年度比8.5%増の3億6750万トンと見込まれている(表18)。
輸出量は、中国の報復関税を受けた米国がかなり減少する一方、アルゼンチンが3倍以上増加することなどから、同1.5%増の1億5544万トンと見込まれている。輸入量は、最大輸入国である中国において報復関税による米国産大豆輸入減が見込まれることなどから、同0.9%減の1億5227万トンと見込まれている。
消費量(搾油仕向け)は、中国やアルゼンチンで増加することなどから、同4.3%増の3億760万トンと見込まれている。
期末在庫は、米国で前年の2倍に増加することに加え、アルゼンチンでもかなり大きく増加することから同12.4%増の1億1208万トンと見込まれている。