在庫の取り崩しが進行するレッグ・クォーター
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2018年12月21日に公表した「Cold Storage」によると、11月末時点の冷凍鶏肉在庫量は42万4000トン(前年同月比4.3%増)となり、16カ月連続で前年同月を上回って推移した。ただし、内訳をみると、レッグ・クォーター
(注)の冷凍在庫量は減少傾向にあり、11月末時点では3万2000トン(同38.4%減)と17カ月連続で前年同月を下回った(図9)。国外需要が堅調に推移する中、主に輸出に仕向けられるレッグ・クォーターの在庫取り崩しが進んでいるとみられる。
こうしたことから、一部の部位は冷凍鶏肉在庫に占める割合が上昇しており、例えば同月末時点の手羽は同10.7%と前年の同時点と比べ2.2ポイント上昇した。
(注)ブロイラーを4分の1にカットしたもの。ドラムスティックと上ももに背肉の半分が付着したもの。
第4四半期の鶏肉輸出量は前年比4.0%増の見通し
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、鶏肉輸出量は2018年6月以降、5カ月連続で前年を上回って推移しており、10月は30万4000トン(前年同月比4.2%増)と、同月としては2014年以降最多となった。
こうしたことから同年1〜10月の鶏肉輸出量は前年同期を3.9%上回る266万1000トンとなった(表5)。最大輸出先であるメキシコに対しては前年同期比7.6%増の53万4000トンが仕向けられ、これは輸出量全体の20.1%を占めた。
部位別にみると、鶏肉輸出量全体の5割を占める冷凍レッグ・クォーターが堅調であり、10月は前年同月比6.6%増の15万5000トン、1〜10月としては前年同期比3.2%増の128万8000トンとなった(図10)。
一方、輸出単価は6月以降前年を下回って推移したため、冷凍レッグ・クォーターの輸出額は、10月には前年同月を10.9%下回る1億1913万米ドルとなり、1〜10月としては10億7371万米ドルと、前年同期をわずか0.7%上回る水準に留まった。
この点についてUSDAは、輸出単価が低調に推移することによって輸出量は短期的には好調に推移すると見込んでおり、2018年第4四半期(10〜12月)の鶏肉輸出量を84万4000トン(同4.0%増)と予測している。
(調査情報部 野田 圭介)