(1)はっ酵乳
平成29年度のはっ酵乳の全国生産量は、前年度より0.2%減少し131万6047キロリットルとなった(図1)。
本調査で回答のあった企業におけるはっ酵乳の生産量は、前年度に比べて2.2%減少し、100万4973キロリットル、カバー率は76.4%となった。はっ酵乳の生産割合を商品タイプ別
(注4)で見ると、「ハード」は23.1%(0.7ポイント増)となった一方で、「ソフト」は12.9%(0.7ポイント減)となった(図2)。「プレーン」(25.0%)と「ドリンク」(39.0%)は、前年度とほぼ同じ割合となった。
注4 はっ酵乳の商品タイプを次の通り分類した。
(1)プレーン:糖類や果実などの乳成分以外のものを一切含まないもの
(2)ハード:糖類やペクチンなどの安定剤を添加したもの
(3)ソフト:果肉や果物を含むもの
(4)ドリンク:液状で飲料タイプのもの
(5)フローズンなど:冷凍されたもの、その他のもの
乳業区分別に見ると、構成比は乳業系が約8割、非乳業系が約2割となっており、前年度の構成比と比較すると、非乳業系の割合がわずかに大きくなっている(図3)。
(2)乳飲料
平成29年度の乳飲料の全国生産量は、前年度より5%減少し、116万4310キロリットルとなった(図4)。
本調査で回答のあった企業における乳飲料の生産量は、前年度よりも0.5%減少し、82万574キロリットル、カバー率は70.5%となった。
ア 色物乳飲料
回答のあった企業の平成29年度の色物乳飲料生産割合を商品タイプ別に見ると、「コーヒー」は85.6%(前年度比3.1ポイント減)、「フルーツ」は5.7%(同0.9ポイント増)、「その他」は8.7%(同2.2ポイント増)となっており、「コーヒー」の割合が減少した(図5)。コーヒーの減少要因としては、缶飲料の製造の一部停止などの回答があった。
乳業類型別に見ると、大手3社が64.2%(同4.4ポイント増)、農協プラント系が12.5%(同1.7ポイント減)、中小系が23.3%(同2.7ポイント減)となり、大手3社が約6割を占めた(図6)。
イ 白物乳飲料
回答のあった企業の平成29年度の白物乳飲料生産割合を乳業類型別に見ると、構成比は大手3社が55.6%(6.2ポイント減)、農協プラント系が12.6%(1.5ポイント増)、中小系が31.8%(4.7ポイント増)となっており、これまでの構成比とほぼ同じとなった(図7)。
(3)加工乳
平成29年度における加工乳の全国生産量は、9万2987キロリットルと7%の減少となった(図8)。
本調査で回答のあった企業における加工乳の生産量は、前年度より0.9%減少し3万237キロリットル、カバー率は32.5%となった。減少の要因としては、需要の減少、乳飲料(低脂肪)との価格差などの回答があった。加工乳の生産割合を商品タイプ
(注5)別に見ると、「低脂肪」が33.1%(同7.0ポイント減)、「普通脂肪」が22.3%(同6.1ポイント減)、「濃厚」が44.6%(同13.1ポイント増)となった(図9)。
注5 加工乳の商品タイプを乳脂肪率により次の通り分類した。
(1)低脂肪:1.5%以下
(2)普通脂肪:1.5%〜3.8%未満
(3)濃厚:3.8%以上
乳業類型別に見ると、生産割合は中小系が約7割を占め年々拡大傾向にある(図10)。その要因として、大手3社および農協プラント系の生産量が減少傾向にあるため、中小系のシェアが拡大している背景がある。