平成31年1月の鶏肉需給を見ると、生産量は13万1073トンと前年同月並みとなった。輸入量は、ブラジル産が3万3335トン(前年同月比9.1%減)と前年同月をかなりの程度下回ったことから、全体でも4万1976トン(同13.1%減)となった。推定出回り量は前年同月をわずかに上回る17万299トン(同1.3%増)となった。例年1月の出回り量は、クリスマス需要後の反動として減少する傾向にあり、31年1月も同じ傾向にあった。しかし、1月の出回り量としては過去最高となった。その結果、推定期末在庫は前月から2750トンを積み増したものの、16万2133トン(同9.4%減)と4カ月連続で前年同月を下回った。内訳を見ると、輸入品は、前月から1356トン積み増したものの、13万4681トン(同10.6%減)と4カ月連続で前年同月を下回った(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)(図6)。
鶏肉の加工品仕向肉量、4年連続で増加
平成30年(1〜12月)の鶏肉の加工品仕向肉量は、好調な需要を受け、前年をわずかに上回る5万3527トン(前年比1.3%増)と3年連続で5万トンを超え、過去最高となった(図7)。そのうち、輸入物に関してみると、9749トン(同27.6%増)と前年同月を大幅に上回り、加工品に仕向けられる輸入物の量は過去5年間で3倍弱となっている。また、牛・豚を含む食肉加工品の約2割弱を占めるハム類の品目別生産数量を見ると、30年はサラダチキン市場の成長などにより、サラダチキンを含む「その他のハム」は1万5926トン(同38.0%増)と大幅に増加した(図8)。
2月の鶏肉相場、おおむね堅調に推移
2月の鶏肉卸売価格(東京)を見ると、もも肉は1キログラム当たり669円(前年同月比2.5%安)と前年同月をわずかに下回った(図9)。輸入品と競合するむね肉は、堅調な価格で推移した前年を下回り、同269円(同13.6%安)となった。その結果、むね肉ともも肉の価格の合計は2キログラム当たり938円(同5.9%安)となった。
(畜産需給部 岩井 椿)