ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 生乳生産量は6カ月連続で減少
平成31年2月の生乳生産量は、56万7079トン(前年同月比0.3%減)と前年同月をわずかに下回り、6カ月連続で前年同月を下回った。地域別の内訳を見ると、北海道は30万6252トン(同0.1%減)と横ばいとなったものの、都府県は26万827トン(同0.6%減)と減少傾向が継続した(表1)。
北海道では、ホクレン農業協同組合連合会が公表した平成30年度生乳受託乳量速報値(3月月計)によると、道内最大の生産地である帯広地区が同3.0%増となっており、地域による差がみられる。
一方、都府県では、メガファームが生乳生産量をけん引している中国地方が同1.8%増と29年度中盤からの伸びが継続している。
用途別生乳処理量を仕向け先別に見ると、牛乳等向けは30万5410トン(同0.7%増)と前年同月を上回った一方、乳製品向けは牛乳等向けが増加したことから、25万8306トン(同1.3%減)と
前年同月を下回った(表2)。
2月の脱脂粉乳在庫、18カ月ぶりに前年同月を下回る
平成31年2月の脱脂粉乳の在庫数量は、6万4088トン(前年同月比2.7%減)と18カ月ぶりに前年同月を下回った(図4)。
30年以降、堅調に推移していたはっ酵乳の消費の伸びが鈍化したこと、牛乳への消費者志向が高まったことなどから脱脂粉乳の消費量が減少する中で、機構の輸入入札の落札実績も低調で推移し、在庫の切り崩しが進んだものとみられる。
それでも、現在の在庫水準は6万トンを超えており、また、機構による平成31年度分の国家貿易においても、脱脂粉乳2万トンの輸入枠の下、隔月で入札が実施される予定であり、引き続き脱脂粉乳の安定供給に向けた取り組みが行われることとなっている。
バターの在庫数量は、平成29年10月以降、前年同月を下回る水準で推移しており、31年2月においては2万2569トン(同2.6%減)となった(図5)。
バターの生産量が減少傾向で推移している中で、バターの消費量は、堅調に推移しているが、国内におけるバターの必要量を確保するため、機構の国家貿易によるバターの輸入入札が毎月実施されている。
平成31年度分についても、輸入枠2万トンのうち8000トンの入札が、平成31年2月、3月および4月にそれぞれ実施され、全量落札されたところであり、脱脂粉乳と同様に、今後とも安定供給に向けた取り組みが行われることとなっている。
平成30年度小売店におけるバターの陳列状況、不足感なく推移
機構は、全国100店舗のスーパーマーケットに調査員を派遣し、バターの陳列状況の調査を行っている。平成30年度は年度を通じて店頭にバター(国内で流通する20品目のバターのいずれか)が陳列されており、12月および2月のバターの需要期前においても不足感なく店頭に陳列されていた。
併せて、機構が全国約850店舗を対象に実施している小売店におけるバターのPOS調査によると、平成30年度における箱入り200グラムの有塩バターの1個当たりの平均販売価格は2年連続で前年度の平均価格を上回る391.2円(前年度比0.3%高)となり、28年度の387.2円から4円の上昇となった。
1店舗当たりの販売数量は、週平均で6.12キログラム(同0.5%減)となり、28年度の6.78キログラムから2年連続で前年度を下回る結果となった。
(酪農乳業部 山北 淳一)