寒波や洪水の影響は限定的
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2019年4月18日に公表した「Cattle on Feed」によると、3月のフィードロット導入頭数は前年同月比4.8%増の201万4000頭、出荷頭数は同3.4%減の177万7000頭となった。
この結果、2019年4月1日現在のフィードロット飼養頭数は1196万4000頭と、前年同月を2.0%上回った。これは、同日時点としては、現行の形式で調査が開始された1996年以降過去最大の水準となる(図1)。
現地報道では、全国的にフィードロット導入頭数が増加した要因について、3月の融雪による洪水の影響により懸念されていたフィードロットのぬかるみが限定的だった一方で、フィードロットが保有牛を一斉に手放したため、資金的にも施設的にも肥育もと牛の導入意欲が高かったことや、2018年の子牛出生頭数が多かったことを挙げている。
なお、4月1日現在のフィードロット飼養頭数を種類別にみると、去勢牛は前年同月比1.1%減の745万頭であったのに対し、未経産牛は同7.6%増の451万4000頭とかなりの程度増加している。
2月の牛肉輸出量はかなりの程度減少
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、米国の牛肉輸出量は、世界的な牛肉需要増などを背景に2018年は過去最高となったものの、2019年2月は、前年同月比6.0%減の9万6263トンとかなりの程度減少し、2カ月続いて前年を下回った(表1)。
主要輸出相手国別にみると、輸出先首位の日本向けが前年同月比2.1%増の2万5808トンとわずかに増加し、第2位の韓国向けが米韓自由貿易協定(KORUS)によって削減される関税面での恩恵(当初の37.3%から2026年に向けて段階的に削減。2019年1月から18.7%。2026年に0%)もあり、同10.5%増の2万773トンとかなりの程度増加した。
一方、国内の肉用牛生産が好調なカナダ向けは同16.8%減の8517トンと大幅に減少し、香港向けも同51.2%減の6735トンと大幅な減少となった。
(調査情報部 藤原 琢也)