平成31年3月の生乳生産量は、63万9319トンと前年同月比で約200トンの増加となり5カ月続いた減少傾向から増加に転じた。地域別に見ると、北海道が34万2922トン(前年同月比0.8%増)と前年をわずかに上回ったが、都府県は29万6397トン(同0.9%減)と平成28年3月以降減少傾向で推移している。
用途別生乳処理量を仕向け先別に見ると、牛乳等向けは32万1832トン(前年同月比0.8%増)と3カ月連続で前年を上回った。一方で、乳製品向けは牛乳等向けが堅調であることから、31万3873トン(同0.6%減)と3カ月連続で前年同月を下回った。乳製品向けのうち、脱脂粉乳・バター等向けは15万9575トン(同2.7%増)となった。
月末在庫は、バターが2万2647トン(前年度比2.6%減)、脱脂粉乳が6万5449トン(同2.0%減)となった。
平成30年度の生乳生産量、前年度比でほぼ横ばい
平成30年度の生乳生産量は、728万2275トン(前年度比0.1%減)と前年度比でほぼ横ばいとなった
(図4)。
年度前半は、都府県で減産傾向が続く中、生乳生産量の過半を占める北海道が29年度後半から前年度をやや上回って推移していたことで、全国の生乳生産量は前年同期を上回った。一方、年度後半は、北海道胆振東部地震などの影響により9月が前年同月比3.5%減とやや減少したものの、10月以降は北海道の回復もあったことで、前年同期比0.4%減にとどまった。
地域別では、北海道が396万7129トン(前年同月比1.2%増)、都府県が331万5146トン(同1.6%減)
となった。北海道内では、札幌、帯広、北見の3地域がそれぞれ前年度を上回り、中でも最大の帯広地域
では118万4632トン(同3.2%増)となっている。一方、都府県では中国地域が28万9763トン(同2.1%
増)、九州地域が62万4861トン(同0.1%増)と前年度を上回った。
なお、全国の生乳生産量に占める北海道のシェアは54.5%と前年度比で0.7ポイント拡大した(図5)。
乳製品向け生乳処理量、3年連続減
平成30年度の用途別生乳処理量は、牛乳等向けが400万6025トン(前年度比0.6%増)、乳製品向けが323万1175トン(同0.8%減)となった(表4)。
牛乳等向けが、消費者の健康志向などにより堅調に推移していることもあり、乳製品向けは3年連続で減少した。このうち、脱脂粉乳・バター等向けは148万4254トン(同1.0%減)、チーズ向けは42万3132トン(同3.3%減)と減少したが、液状乳製品向けは126万5481トン(同1.0%増)と増加した。
(酪農乳業部 山北 淳一)