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海外の需給動向【牛乳・乳製品/NZ】 畜産の情報 2019年7月号

4月の生乳生産量、3月に続き前年同月を下回る

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4月の生乳生産量は、前年同月比8.4%減
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2019年4月の生乳生産量は、136万4000トン(前年同月比8.4%減)と3月(同8.2%減)に続き前年同月を下回った(図14)。2018/19年度(6月〜翌5月)の生乳生産は順調に推移してきたが、主産地であるワイカト地方をはじめ各地で夏場の乾燥気候により牧草の生育状況が悪化したため、3月には1年ぶりに前年同月を下回った。このため、2018/19年度の4月までの累計では、2097万7000トン(前年同期比2.3%増)と3月までの増加率(同3.2%増)を0.9ポイント下回ったものの、依然として前年度実績を上回っている。

 


4月の乳製品輸出量、全粉乳、脱脂粉乳は前年同月を上回る
 ニュージーランド統計局(Statistics NZ)によると、2019年4月の乳製品主要4品目の輸出量は、以下の通りとなった(表15、図15)。
 脱脂粉乳については、2018年後半、国際需給が緩和基調であったことから東南アジア、日本、中国および香港向けを中心に減少したが、国際需給の回復に伴い改善に向かったため、前年同月比4.8%増となり、2019年1月以降前年同月を上回って推移している。
 全粉乳は、全体の4割近くを占める中国などからの需要により同22.2%増と大幅に増加し、2018年12月以降前年同月を上回って推移している。
 一方、バター類は、同9.4%減と中国、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアなど向けを中心に前年同月を下回った。
 この結果、2018/19年度(7月?翌6月)の4月までの主要4品目の累計は、2018年後半に低調であった脱脂粉乳を除き前年同期を上回り、これまでの順調な生乳生産や国際需給の改善などを背景として輸出量は回復している。

 



 

乳製品国際価格、全粉乳およびバターで下落
 2019年5月21日に開催された、乳製品の国際価格の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)の1トン当たり平均取引価格は、以下の通りとなった(表16、図16)。前回開催(5月7日)時と比較すると、全粉乳およびバターで価格が下回った。
 


 
 全粉乳価格については、4月以降、4回続けて下落し、前回比2.1%安のトン当たり3180米ドル(35万円)となった。特に引き渡し時期が近い、6〜7月分の下落幅が大きい。
 バターは、2018年11月以降上昇傾向で推移したが、需給緩和を背景として4月をピークに下落に転じ、今回は同3.4%安の同5297米ドル(58万3000円)となった。
 一方、脱脂粉乳は、同0.3%高の2529米ドル(27万8000円)とわずかに上昇した。
 また、チーズは、2018年12月以降上昇傾向で推移した後、前回は下落したが、今回は同15.0%高の4851米ドル(53万4000円)とかなり上昇した。

 
 
(調査情報部 井田 俊二)