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海外の需給動向【牛乳・乳製品/米国】 畜産の情報 2019年7月号

生乳生産量、3 年ぶりに前年を下回る

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3月の生乳生産量は0.4%減
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2019年4月22日に公表した「MilkProduction」によると、3月の乳用経産牛飼養頭数は前年同月比0.9%減の934万4000頭と、2018年7月以降9カ月連続して前年を下回った。1頭当たり乳量は、2014年以降増加傾向で推移し、3月も同0.5%増の918キログラムとなったものの、1月の同1.8%増、2月の同0.9%増と比較すると増加幅は縮小した。このように1頭当たり乳量の増加が搾乳牛頭数の減少分を補えなかった結果、3月の生乳生産量は同0.4%減の8579万トンと2016年1月以来3年ぶりに前年同月を下回ることとなった(図8)。
 同月の生乳生産量を州別に見ると、最大の生産州であるカリフォルニア州は同0.7%増の164万トン、第2位のウィスコンシン州は同0.4%増の119万トン、ニューヨーク州は同2.3%増の59万トン、アイダホ州は同1.4%増の58万トンと主要産地で増産した。一方、現地報道によれば、イリノイ州が同9.8%減の7万トン、バージニア州が同12.5%減の6万トンと、酪農家の廃業が続いている産地ではかなり減少した。
 

 

2020年の生乳生産量、1.8%増の予測
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)は5月16日、第1回目となる2020年の牛乳乳製品需給・価格見通しを公表した。これによると、2020年の乳用経産牛飼養頭数は、堅調なチーズ価格および輸出需要を背景に高価格が予想される乳価と安価な飼料価格により、前年から2万頭増加となる936万5000頭と見込まれている(表10)。1頭当たり乳量も従来の増加傾向を踏襲し、同1.6%増の1万786キログラムと予測されている。この結果、2020年の生乳生産量は同1.8%増の1億102万トンへ増加すると見込まれている。
 


3月のチーズ輸出量、過去最高を記録
 米国の乳製品輸出は、中国やメキシコの報復関税の影響もあり、ホエイを中心に軒並み減少基調で推移する中、3月のチーズ輸出量は過去最高を記録した。USDA/ERSによると、同チーズ輸出量は前年同月比9.9%増の3万7190トンと4カ月連続で前年を上回った(図9)。
 米国乳製品輸出協会(USDEC)によれば、韓国向けが同39%増の8472トンと大幅に増加し、従来首位であったメキシコを抜き、過去4年間で初めて最大の輸出先となった。他の国・地域においても、東南アジア向けが同33%増、日本向けが同28%増、MENA(中東および北アフリカ諸国)向けが同22%増と軒並み増加した一方で、これまで最大の輸出先であったメキシコについては、2018年6月から続く報復関税の影響で同17%減となり、輸出先第2位となった。
 

 
(調査情報部 藤原 琢也)