主要畜産国の需給

　2017年の世界の牛肉生産量は、7085万トン（枝肉換算ベース、FAO Food Outlook、2018年11月）と見込まれる。主要生産国（国別データは米国農務省）は、米国（1194万トン）、EU28カ国（786万トン）などの先進国のほかに、ブラジル（955万トン）、中国（726万トン）、インド（425万トン、水牛肉を含む）、アルゼンチン（284万トン）といった新興国である。牛肉消費量は、米国が世界最大の消費国であるが、EU、アルゼンチン、インドなどの国々も生産とともに消費が増加している。牛肉輸出量は、ブラジル（186万トン）、インド（185万トン）、豪州（149万トン）の順に多い。また、日本への輸出割合が高い米国や豪州、ニュージーランド（59万トン）の3カ国で全輸出量の約3割を占める。

　2017年の世界の豚肉生産量は、1億1878万トン（枝肉換算ベース、FAO Food Outlook、2018年11月）と見込まれる。主要生産国（国別データは米国農務省）は、中国（5340万トン）であり、これにEU28カ国（2366万トン）や米国（1161万トン）などが続く。EUや米国は生産量に占める輸出量の割合が高く、東アジアを中心に輸出量を増加させている。新興国では、経済成長に伴いブラジル（373万トン）、ロシア（300万トン）、ベトナム（274万トン）の生産量が増加している。中国以外のアジア地域では、フィリピンや韓国などの生産量や消費量が多い。日本は生産量が128万トンであるが、消費量のおよそ半分の148万トンを輸入しており、世界全体の輸入量の約2割を占めている。

　2017年の世界の鶏肉生産量は、1億1994万トン（骨付き換算ベース、FAO Food Outlook、2018年11月）と見込まれる。主要生産国（国別データは米国農務省）は、米国（1894万トン）であり、これにブラジル（1361万トン）、中国（1160万トン）と続く。このほか、最近ではロシア（466万トン）やインド（464万トン）、アルゼンチン（215万トン）などで著しく増加している。鶏肉消費量は、米国が最大であり、人口増加に伴いインド（464万トン）なども増加している。鶏肉輸出量は、ブラジル（385万トン）、米国（314万トン）、EU28カ国（134万トン）、タイ（76万トン）の順に多く、ブラジルと米国で世界の輸出量の6割以上を占める。

　2017年の世界の生乳生産量（水牛乳含む）は、8億1089万トン（FAO Food Outlook、2018年11月）と見込まれる。主要生産国（国別データは米国農務省）は、EU28カ国（1億5800万トン）、インド（1億6000万トン）、米国（9773万トン）などであるが、インドは水牛乳が生乳生産量の約6割を占める。地域別にみると、最近では、アジアや南米の生乳生産量の増加が著しい。2017年の貿易量（輸出量・生乳換算）は7276万トンと見込まれ、その貿易率は9.0％と穀物や砂糖、牛肉、家きん肉などと比べて低い。主要輸出国（地域）は、ニュージーランド、EU28カ国、米国、豪州などである。