令和元年6月の鶏卵卸売価格(東京、M玉)は、1キログラム当たり151円(前月比22円安)となった。これは、5月の大型連休中の行楽需要が落ち着いたことにより需要を上回る供給が続き、さらに、6月に入り気温の上昇に伴い需要が落ち込んだことによるもので、相場が下落した(図16)。
日ごとの相場を見ると、6月に入っても安定基準価格の1キログラム当たり163 円を下回ったまま推移しており、5月以降、引き続き成鶏更新・空舎延長事業
(注)が発動している。
今後について、供給面では、例年生産・入荷量が減少する夏季に入ることや、引き続き生産調整が行われていることなどから、ある程度数量は落ち着くと思われる。需要面では、気温の上昇に伴う購入意欲の減退を懸念する声も聞かれる。
注:一般社団法人日本養鶏協会が実施する鶏卵生産者経営安定対策事業のうちの一つ。需給改善を図ることを目的とし、当該日の標準取引価格が安定基準価格を下回った30日前から安定基準価格を上回る日の前日までに、更新のために成鶏を出荷し、その後60日以上の空舎期間を設けた生産者に対して、奨励金を交付するもの。
(畜産振興部 郡司 紗千代)