米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2019年6月11日、「Grain:World Markets and Trade」を公表し、世界のトウモロコ シ需給予測値を更新した。
同レポートによれば、主産地の天候不順から作付に遅れが生じている米国の生産量が前回予測から大幅に下方修正されたことから、2019/20年度の世界のトウモロコシ生産量も前回の増産見込みから一転して減産見込みに転じ、前年度比1.9%減の10億9919万トンと予測されている(表13)。
輸出量は、米国が前回予測から下方修正されたものの、二期作の生産が堅調なブラジルや収穫面積の増加に伴い増産が見込まれるアルゼンチンで増加が見込まれることから、同2.2%増の1億7124万トンと予測されている。輸入量は、中国が大幅な増加見込みであることから、同2.2%増の1億7124万トンと予測されている。
消費量は、米国が前回の増加見込みから減少見込みに転じたものの、他の主要国で前年を上回ることから、前年度並みとなる11億3405万トンと見込まれている。期末在庫は、アルゼンチンを除く主要国で取り崩しが進むことから、前年度をかなりの程度下回る同10.7%減の2億9052万トンと予測されている。
2019/20年度の世界の大豆生産量は前年度比1.8%減
USDA/FASが2019年6月11日に公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、2019/20年度の世界の大豆生産量は、ブラジルと中国が増産見込みであるのに対し、米国とアルゼンチンがそれを上回る減産見込みであることから、前年度比1.8%減の3億5539万トンと予測されている(表14)。
輸出量は、最大の輸出国であるブラジルが減少見込みであるものの、米国の増加がそれを上回ることから、同0.9%増の1億5105万トンと予測されている。
輸入量は、世界の過半を占める中国が前年度をわずかに上回ることから、同1.5%増の1億5082万トンと予測されている。
消費量(搾油仕向け)は、最大の消費国である中国が前年並みであるものの、米国をはじめとする他の主要国が増加することから、同2.1%増の3億810万トンと予測されている。
期末在庫は、ブラジルと中国が増加見込みであるものの、米国とアルゼンチンで減少することから、同0.1%減の1億1266万トンと予測されている。
(調査情報部 藤原 琢也)