第1期作は干ばつの影響で微減も、第2期作は大幅増の見込み

　ブラジル国家食糧供給公社（CONAB）は6月11日、2018/19年度（10月〜翌9月）第9回目となる主要穀物の生産状況等調査結果の要約版を、同19日に州ごとの分析や細かい講評を加えた完全版を公表した。これは、春植えの夏期作物（大豆、第1期作トウモロコシなど）と、秋植えの冬期作物（第2期作 トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など）の生産予測等を毎月公表するものである。このうち、ブラジルのトウモロコシ需給見通しは、次の通りである。
　生産量は、作付面積、単収がともに前年度を上回ることから、前年度比20.2%増の9701万400トンと見込まれている。このうち、第1期作トウモロコシをみると、昨年度第2位の生産州であったリオグランデドスル州では、5月に雨天が続いたことで、収穫の遅れがやや見られているものの、生育期〜収穫期にかけての良好な天候が後押しし、同19.5%増の576万8100トンと好調な生産が見込まれている。加えて、昨年度第3位のパラナ州では、収穫が全て終了し、作付面積が前年度をかなり上回ることに加え、単収も前年度をわずかに上回る見込みとなったことから、生産量は、前年度比9.8%増と見込まれている。一方、昨年度最大生産州であったミナスジェライス州では、大豆への作付けのシフトに加え、昨年12月から今年1月にかけての干ばつの影響で単収の減少が見られていることから、生産量は同14.8%減の459万8200トンと予測されている。その結果、全体では前年度比1.8%減の2633万3100トンと見込まれている。
　一方、第2期作は、ほぼ全ての生産州にお いて、昨年の干ばつからの回復が見込まれ、単収の大幅な改善が予測されていることから、同31.1%増の7067万7100トンと見込 まれている（表16）。
 
　なお、消費量は同4.8%増の6291万5300 トン、輸出量は同29.2%増の3200万トンと見込まれている。この結果、期末在庫量は同17.5%増の1738万4000トンと見込まれている（表17）。