(1)調査概要
本調査は、全国のサラダチキン製造業者およびサラダチキンの最終製品の輸入業者(以下「取扱業者」という)を調査対象としたアンケート調査である。調査実施期間(調査票配布〜回収)は平成30年12月〜31年1月と し、回答数は17社となった。
(2)結果概要
サラダチキン全体の取扱量を指数(平成29年=100)で見ると、30年は126、令和元年(見込)は128となった(図1)。前回調査では、サラダチキンの今後の購入頻度を増やしたいという消費者が多い結果となり、各社が底堅い需要に対応して取扱量を増やしていることから、30年は大幅に増加し、元年は緩やかなものの、引き続き増加の見通 しとなっている。
また、「ソーセージタイプ」(スティックタイプ)の取扱量を指数(同)で見ると、30年が184、元年(見込)が247となった。ブロックタイプ(ひとかたまりのむね肉を用いた商品)が大半を占めるサラダチキン市場は競合が激しくなっていることから、特にソーセージタイプの伸び率は顕著となっており、商品の差別化・多様化が進んでいることがわかる。
サラダチキンの原料原産国別取扱金額を指数(同)で見ると、「国産」は、平成30年が129、令和元年(見込)が131、「タイ産」は、30年が136、元年(見込)が147と増加した。一方、「その他」は、30年が68、元年(見込)が30と減少した。「その他」の内訳は、中国産、ブラジル産となっており、大半を中国産が占めている(図2)。
また、元年(見込)のサラダチキンの原料原産国別割合(金額ベース)を見ると、「国産」は41%(前年並み)、「タイ産」は56%(前年比3ポイント増)、「その他」は3%(同3ポイント減)と見込まれている(図3)。
前回調査では、原料原産国別の消費者の購入意欲は、国産が最も高く、次いで高いのはタイ産となり、ブラジル産、中国産は、比較的低い結果となった。多くの取扱業者は、原料原産国を決める際、現地の供給力、品質面、コスト面に加え、取引先からの要望を重視しており、供給側からみても国産、タイ産は、いずれの観点でも高く評価されているとみられる。このような状況の中で、国産、タイ産は増加、その他は減少の見通しとなっている。
サラダチキンの販売先別取扱金額を指数(同)で見ると、「コンビニエンスストア」は、平成30年が117、令和元年(見込)が112となった。一方、「スーパーマーケット」は、30年が141、元年(見込)が150、「その他」は、30年が132、元年(見込)が174となった。なお、「その他」の回答では、ネット通販、ドラッグストアなどが挙げられた(図4)。
また、元年(見込)のサラダチキンの販売先別割合(金額ベース)を見ると、「コンビニエンスストア」は52%(前年比3ポイント減)、「スーパーマーケット」は44%(同2ポイント増)、「その他」は4%(同1ポイント増) と見込まれている(図5)。
前回調査では、サラダチキンをコンビニエンスストアで購入する消費者が最も多い結果となった。本調査でも、引き続きコンビニエンスストアが販売の中心となる見通しとなったものの、徐々にスーパーマーケットの存在感も増している。