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国内の需給動向【鶏卵】 畜産の情報 2019年9月号

夏場の需要減退、相場の低迷続く

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 令和元年7月の鶏卵卸売価格(東京、M玉)は、1キログラム当たり150円(前月比1円安)となった。鶏卵卸売価格は、例年、気温の上昇に伴い低下し、夏場の不需要期に底を迎えるという傾向があるため、先月に引き続き安価基調で推移した(図24)。
 
 
 5月以降、相場は低迷したまま推移しており、2カ月以上にわたって成鶏更新・空舎延長事業(注)の発動が続いている。
 今後について、供給面では、梅雨明け後の気温の上昇に伴い生産量が減少することや、引き続き生産調整が行われていること、また、元年2月以降の採卵用ひなえ付け羽数が前年同月を下回って推移していることから、秋口以降の鶏卵の供給減少が予想される。一方、需要面では、気温の上昇に伴う購入意欲の減退を懸念する声も聞かれるが、秋口以降の需要回復に期待したい。
注:一般社団法人日本養鶏協会が実施する鶏卵生産者経営安定対策事業のうちの一つ。需給改善を図ることを目的とし、当該日の標準取引価格が安定基準価格を下回った30日前から安定基準価格を上回る日の前日までに、更新のために成鶏を出荷し、その後60日以上の空舎期間を設けた生産者に対して、奨励金を交付するもの。
(畜産振興部 郡司 紗千代)