畜種・部位に対して異なる消費者層の購買行動の特徴とその要因を探るために、畜種別・部位別について「よく買う」「買う」「あまり買わない」「買わない」「知らない」の5段階で質問 して得た回答を、クラスタ分析とクロス分析の方法を使って解析した。まず、クラスタ分析の結果として、回答者を三つのグループに分けることができる(図1)。
第1グループは165人と最も人数の少ない層で、いずれの畜種の購買頻度もやや高く、購入部位についても大きな偏りがいない層である。第2グループは561人と最も人数の多い層で、特徴としては豚肉と鶏肉の購入頻度に二極化がみられ、買う部位と買わない部位が明確である。第3グループは524人で第2グループの次に多い。このグループは、食肉全般の購買頻度・部位に対する認知度が低く、牛肉をほぼ購入せず、豚肉と鶏肉も特定の2〜3部位しか買わない。
この三つのグループの消費者像についてクロス分析した結果(表2)、第1グループは、他のグループに比べ若い世代の割合が高く、経済的余裕のある方もやや多いことから、消費行動がまだ定着しておらず、食肉の購買について模索的な層である。第2グループは、年齢層の高い方が多く、世帯年収も特に大きな偏りがないことから食肉の購買行動が定着している層である。第3グループは、年齢層に大きな特徴がみられなかったが、全体的に世帯年収が低い傾向であることから、食肉の購買に節約志向が強い層である。