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海外の需給動向【鶏肉/ブラジル】 畜産の情報 2019年10月号

1〜7月の輸出量はやや増加

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輸出は中国向けが大幅に増加
 ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、2019年1〜7月の冷蔵・冷凍鶏肉輸出量は、前年同期比5.0%増の226万6483 トン(製品重量ベース)となった(表9)。
 

 国別にみると、中国向けは、堅調な需要を背景に同22.6%増の31万4798トンと大幅に増加した。また、輸出単価についても同国からの引き合いが強まったことにより、同14.3%高の2091米ドルとなった。
 また、サウジアラビア向けは、新たなハラル認証制度の影響で一部パッカーからの輸出が制限されているものの、昨年の5月末に発生したトラック運転手によるストライキの影響で、同年6月の輸出量が同国向けも含めて大幅に減少したことから、2019年1〜7月の輸出量は同5.2%増の28万1994トンとやや増加した。日本向けについては、同10.6%増の24万2253トンとなった。

生産コストはわずかに減少傾向
 ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)養鶏・養豚センター(CIAS)によると、最大生産州であるパラナ州におけるブロイラー生産コ スト指数は、飼料原料となるトウモロコシの豊作などを受け、昨年10月以降わずかに減少傾向で推移している(図11)。これに加えて堅調な輸出需要があることが、国内のブロイラー生産者の経営安定につながっていると考えられる。
 

2019年のブラジルの鶏肉生産量は輸出がけん引
 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が8月13日に公表した「GAIN REPORT」によると、2019年のブラジルの鶏肉生産量は、1363万5000トンと予測されている。輸出量は中国をはじめとする需要の増加により、過去最高の387万4000トンと見込む一方、ブラジル国内の消費量は国内失業率が高止ま りを続けていることなどから減少を見込んでいる。
 また、2020年の同国の鶏肉生産量については、前年比2.5%増の1397万5000トンと予測されている。この予測の背景には、引 き続き輸出が堅調に推移することに加え、ブラジル国内経済の回復により国内消費が回復することや、2019/2020年の飼料穀物が豊作見込みであり、飼料コストが減少することなどが挙げられている。
 
(調査情報部 柴ア 由佳)