鶏肉調製品および冷凍鶏肉の輸出はかなり増加
2019年1〜6月の鶏肉輸出量は、鶏肉調製品が前年同期と比べて8.5%増の28万6000 トン、冷凍鶏肉が同10%増の14万4000トンであった。冷凍加塩鶏肉輸出量は、ブラジルのEU向け輸出施設が認定を取り消された
(注)2018年5月以降は代替需要で増加したものの、同年年末から徐々に減少したため、前年同期と比べて13.7%減の4万4000トンとなった(表10)。
(注) 海外情報「EUがブラジルの食鳥処理工場20カ所からの輸入を禁止へ」
(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002208)
鶏肉調製品の輸出量を輸出先国別にみると、日本に次いで英国が多く、1〜6月の輸出量は前年同期比6.2%増の8万1000トンであった。また、輸出先3位のオランダ向けが同23.3%増の1万9000トンと大幅に増加した(表11)。タイは鶏肉調製品についてEUの低関税輸出枠を持っており、現地関係者によると、英国のEU離脱時の扱いは10月に明確になるとのことであったが、現時点では見通しは不透明である。
冷凍鶏肉の輸出量を輸出先国別にみると、日本向けが5万4000トンと前年同期から21.1%減少した一方、2018年3月に輸出が解禁された中国向けが大幅に増加している(表12)。中国では、アフリカ豚コレラの影響で豚肉から鶏肉に消費がシフトしているといわれており、鶏肉需要の高まりから中国への輸出量が増加したと考えられる。
鶏肉卸売価格は上昇
2019年7月の鶏肉卸売価格は1キログラム当たり49バーツ(174円、1バーツ=3.56円)で、前年同月と比べて12%高とな った(図12)。
現地専門家によると、2018年は需要よりも生産が速いペースで増加していたが、 2019年に入り需給バランスが戻ってきている。さらに、2018年後半から鶏肉輸出量が増加したことにより、価格も上昇傾向が続い ているといわれている。
(調査情報部 寺西 梨衣)