7月の生乳生産量、前年同月比4.6%増
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2019/20年度(6月〜翌5月)7月の生乳生産量は、27万4000トン(前年同月比4.6%増)とやや増加した(図19)。7月の生産量は、まだ本格的な搾乳シーズンとなっていないものの、6月に続き前年を上回っており、直近5年間を見ても最も多い。現地報道によると、7月の天候は温暖で牧草の生育状況は良好となっている。
7月のバター類輸出量、前年同月比34.5%減と5カ月連続で減少
ニュージーランド統計局(Statistics NZ)によると、2019年7月の乳製品主要4品目の輸出量は、以下の通りとなった(表16〜17、図20)。
全粉乳については、前年同月比20.9%減の9万9000トンと大幅に減少し、2018年11月以来8カ月ぶりに前年同月を下回った。これまで中国向けが全体の輸出増につながっていたが、7月は同24.9%減の3万3000トンと大幅な減少となった。
バター類は、同34.5%減の3万7000トンと大幅に減少し、5カ月連続で前年同月を下回った。特に最大の輸出先である中国向けは同59.6%減の7000トンと減少幅が大きく、5カ月連続で前年同月を下回った。このほかフィリピン、インドネシア等東南アジア向けがおおむね減少する一方、豪州、UAE、メキシコ向けは増加している。
一方、脱脂粉乳は、同34.0%増の3万5000トンと2019年4月以降前年同月を上回って推移している。
乳製品国際価格、全粉乳は上昇、バターは下落
2019年8月20日に開催された、乳製品の国際価格の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)の1トン当たり平均取引価格は、以下の通りとなった(表18、図21)。前回開催(8月6日)時と比較すると、主要4品目のうち全粉乳およびチーズは前回の価格を上回る一方、バターおよび脱脂粉乳は下回った。
全粉乳価格については、4月以降下落傾向で推移していたが、7月から上昇傾向となり、前回比2.0%高の1トン当たり3100米ドル(33万2000円)とわずかに上昇した。これは、北アジアからの需要が回復し、10月〜翌1月引き渡し分の価格が上昇したためである。
脱脂粉乳は、前回並みの同0.2%安の2478米ドル(26万5000円)となり、落ち着いた価格動向となっている。 また、バターは、4月をピークに下落傾向にあり、前回比3.4%安の4025米ドル(43万1000円)とやや下落した。これは、4月のピーク時の価格と比べ27%安となった。
(調査情報部 井田 俊二)