8月の生乳生産量、前年同月比0.8%増
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2019/20年度(6月〜翌5月)8月の生乳生産量は、139万4000トン(前年同月比0.8%増)とわずかに増加した(図15)。8月は直近5年間を見ても最も多くなっており、6月〜8月までの生乳生産量は前年同期比2.8%増とわずかに上回って推移している。現地報道によると、国内全体の生産地域における牧草の生育が良好であり、8月までの生乳生産の状況につながっている。
8月のバター類輸出量、前年同月比26.7%減と3カ月連続で大幅な減少
ニュージーランド統計局(Statistics NZ)によると、2019年8月の乳製品主要4品目の輸出量は、以下の通りとなった(表5、図16)。
全粉乳については、前年同月比0.2%増の3万5000トンと前年同月並みとなった。7月には中国への輸出減等により8カ月ぶりに前年同月を下回ったが、8月は前年同月並みに回復した。
脱脂粉乳は、前年同月の輸出量が低水準であったことなどから同87.4%増の1万1076トンと2カ月連続で大幅に増加した。最近の輸出量は、2019年4月以降5カ月連続で前年同月を上回って推移している。
一方、バター類は、同26.7%減の1万3273トンと3カ月連続で大幅に減少し、2019年3月以降6カ月連続で前年同月を下回った。特に最大の輸出先である中国向けは同65.1%減と減少率が大きく、4カ月連続で前年同月を50%以上下回る水準となっている。
乳製品国際価格、主要4品目はいずれも上昇
2019年9月17日に開催された、乳製品の国際価格の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)の1トン当たり平均取引価格は、以下の通りとなった(表6、図17)。前回開催(9月3日)時と比較すると、主要4品目いずれも前回の価格を上回った。
全粉乳価格については、4月以降下落傾向で推移していたが、7月から小幅な変動で推移しており、前回比1.9%高の1トン当たり3133米ドル(34万1000円)とわずかに上昇した。今回の価格上昇は、前回と比べて販売数量が少なかったためとみられる。最近の価格水準は、2019年2月以降、7月の1回を除き3000米ドル台を維持している。
脱脂粉乳は、前回比4.0%高の2599米ドル(28万3000円)とやや上昇した。これは、全粉乳と同様、前回と比べて販売数量が少なかったためとみられる。
また、バターは、2019年4月をピークに下落傾向で推移し、8月には4月の価格より3割近く下落したが、今回は前回比2.5%高の4129米ドル(45万円)とわずかに上昇した。
(調査情報部 井田 俊二)