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海外の需給動向【飼料穀物/ブラジル】 畜産の情報 2019年11月号

2018/19年度の生産量は過去最大の見込み

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は9月10日、2018/19年度(10月〜翌9月)最終回となる主要穀物の生産状況等調査結果の要約版を、同17日に州ごとの分析や細かい講評を加えた完全版を公表した。これは、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測等を毎月公表するものである。このうち、ブラジルのトウモロコシの需給見通しは、次の通りである。
 生産量は、作付面積、単収がともに前年度を上回ることから、前年度比23.9%増の9998万4100トンと見込まれている(表12)。これは、CONABが統計を取り始めて以来、最大の生産量である。このうち、第1期作トウモロコシをみると、最大の生産量を記録した南部のリオグランデドスル州では、単収がかなり増加したことから、生産量は同19.5%増の576万8100トンと大幅な増産見込みとなっている。
 


 他方で、南東部をみると、昨年度最大の生産量であったミナスジェライス州やサンパウロ州では、大豆への作付けのシフトにより作付面積が減少したことや、生育期間中の天候不良により単収がかなり減少したことなどが影響し、生産量のかなりの減少が予測されている。
 一方、第2期作は、全ての生産州において、生産量が前年度を上回り、全体では、前年度比36.9%増の7379万5600トンを見込んでいる。特に単収の増加が著しいが、この要因として、前年度の単収が低かった他、大豆の収穫が順調に進んだことから、大豆の収穫後に播種を行う第2期作の作付けが順調に進んだことや、生育中の天候に恵まれたことが挙げられる。
 最大の生産量を記録した中西部のマットグロッソ州では、第2期作の生産がほとんどであるが、第1期作に比べて天候条件が良好であったことなどから、生産量が前年度と比較して2割程度増加した。
 なお、消費量は同6.4%増の6391万5300トン、輸出量は同46.9%増の3500万トンと見込まれている。この結果、期末在庫量は同12.0%増の1747万3900トンと見込まれている(表13)。このことから、豊富な生産量を背景に、国内の畜産経営者が必要とする数量を確保しつつ、積極的な輸出を展開できていることが推測される。
 


 
(調査情報部 柴ア 由佳)