牛肉生産量、和牛が増加、乳牛・交雑牛が減少
令和元年度上半期(4〜9月)の牛肉生産量は16万1571トン(前年同期比0.8%減)とわずかに減少した(図15)。
このうち、和牛は、繁殖雌牛の増頭による生産基盤の回復、乳用牛への和牛受精卵移植による和子牛の生産拡大などを背景に、前年同期比で2.5%増加した。一方、乳牛、交雑牛は、乳用種雌牛の減少に加え、乳用牛への受精卵移植技術の活用などによる和子牛の生産拡大や、性判別精液の活用などによる優良な乳用後継牛を確保する動きを背景に、それぞれ同2.4%減、同4.9%減となった。
牛肉輸入量、冷蔵品・冷凍品ともに減少
上半期の牛肉輸入量は32万9745トン(前年同期比2.7%減)と前年同期をわずかに下回った(図16)。
このうち、主にテーブルミートとして消費される冷蔵品は、長梅雨などで家計消費が振るわなかったことなどから、14万5263トン(同0.8%減)とわずかに減少した。冷蔵品は、米国産と豪州産で9割以上を占めており、米国産は6万6598トン(同6.8%減)とかなりの程度、豪州産は6万6366トン(同1.5%減)とわずかに、いずれも前年同期を下回った。
また、主に加工・業務用に仕向けられる冷凍品は、中国国内でのASF(アフリカ豚コレラ)の流行を起因とする中国の牛肉需要の高まりなどを背景に、日本向けが減少したことから、18万4141トン(同4.3%減)と前年同期をやや下回った。冷凍品は、豪州産と米国産で8割以上を占めており、豪州産は9万35トン(同11.0%減)、米国産は6万1557トン(同11.0%減)といずれも前年同期をかなり大きく下回った。
牛肉出回り量、前年同期並み
上半期の牛肉出回り量は、牛肉消費の6割以上を占める外食消費などが好調であったものの、約3割を占める家計消費が振るわなかったことから、47万4276トン(前年同期比0.2%減)と前年同期並みとなった(図17)。このうち、家計消費の割合が高いとされる国産品は15万9310トン(同1.0%減)とわずかに減少した一方、輸入品は31万4967トン(同0.3%増)と前年同期並みとなった。
上半期末(9月末)の牛肉在庫は13万894トン(前年同月比6.7%増)と15カ月連続で前年同月を上回った。このうち、9割以上を占める輸入品在庫は12万1984トン(同7.9%増)と同様に15カ月連続で前年同月を上回った一方、国産品在庫は8910トン(同8.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った。