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国内の需給動向【牛乳・乳製品】 畜産の情報 2019年12月号

令和元年度上半期の生乳生産量、0.4%増

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 令和元年9月の生乳生産量は、58万3513トン(前年同月比4.1%増)となった(図24)。地域別に見ると、北海道が33万1221トン(同10.3%増)と7カ月連続で前年同月を上回った一方、都府県では8月の猛暑の影響も残り、また、台風15号の影響による生乳廃棄も重なり、25万2292トン(同2.9%減)と前年同月を下回った。
 
 
 用途別処理量を見ると、牛乳等向けは34万9589トン(同3.0%増)と6カ月ぶりに前年同月を上回り、乳製品向けも23万163トン(同6.0%増)と増加した。このうち、脱脂粉乳・バター等向けは9万2582トン(前年同月比10.7%増)となった(農林水産省「牛乳乳製品統計」、農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 こうした9月の生乳生産量および用途別処理量の大きな伸びは、前年9月の北海道胆振東部地震発生に伴う生乳生産量の一時的な減少からの反動によるものである。

北海道生乳生産量、主要生産地区で堅調に推移
 令和元年度上半期(4〜9月)の全国の生乳生産量は、368万8204トン(前年同期比0.4%増)と前年度をわずかに上回った。地域別に見ると、北海道が205万6727トン(同2.7%増)とわずかに増加する一方、都府県が163万1477トン(同2.4%減)とわずかな減少となった。
 ホクレン農業協同組合連合会が公表した生乳受託乳量速報値によると、北海道では道内最大の生産量を誇る帯広地区が61万9434トン(同3.9%増)となっているほか、同2位の中標津地区、同3位の北見地区も、それぞれ41万1681トン(同2.8%増)、29万1006トン(同1.7%増)と安定した伸びを示しており、このような道内の主要生産地の生産増が道内の増産をけん引している。
 一方、都府県では、中国地域が14万5884トン(同0.4%増)とわずかな増加となっているが、そのほかの地域は、いずれも減少傾向で推移している。
 都府県での生乳生産量の減少を受け、9月の道外移出量は、過去最高の6万1816トン(同25.9%増)を記録し、上半期で見ても28万6123トン(同9.2%増)とかなりの程度増加となった。

牛乳等向け処理量、業務用向けが好調
 令和元年度上半期の用途別生乳処理量は、牛乳等向けが204万1668トン(前年同期比0.4%減)、乳製品向けが162万4283トン(同1.5%増)となった。
 牛乳等向けについては、牛乳消費が比較的堅調なほか、タピオカミルクティーの流行などを受け、原料に使用される業務用向け需要の伸びが全体をけん引したものの、梅雨寒などの影響により前年同期を下回る結果となった。
 乳製品向けについては、北海道での生乳増産により脱脂粉乳・バター等向けが75万8580トン(同4.6%増)と増加したほか、チーズ向けも外食やおつまみなど堅調な需要を受け、21万21トン(同0.9%増)と増加した。一方、クリーム等向けは66万648トン(同0.1%減)と減少した(表1)。
 
 
(酪農乳業部 廣田 李花子)