1 令和元年10月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万8234トン(前年同月比1.9%減)と前年同月をわずかに下回った。品種別では、和牛は1万2650トン(同0.1%減)と前年同月並みとなり、乳用種は8009トン(同1.7%減)とわずかに、交雑種は7177トン(同5.6%減)とやや、いずれも前年同月を下回った(図1)。
なお、過去5カ年の10月の平均生産量と比べると、わずかに下回る結果(2.5%減)となった。
2 10月の輸入量は、前年の輸入量が9月の台風21号による通関遅延の反動により多かったものの、好調な外食需要などを背景に、輸入業者が買い付けを増やしたことなどから、冷蔵品は2万5458トン(同7.7%増)、冷凍品は2万9860トン(同7.7%増)といずれも前年同月をかなりの程度上回った。この結果、全体では5万5378トン(同7.7%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図2、3)。
なお、過去5カ年の10月の平均輸入量と比べると、冷蔵品、冷凍品ともに大幅に上回る結果(冷蔵品22.7%増、冷凍品22.1%増)となった。
3 10月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、161グラム(前年同月比12.8%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
また、10月の外食産業全体の売上高は、連休に上陸した台風19号の影響で関東地方を中心に外食店の休業や営業時間の短縮がみられたことに加え、消費増税による客足への影響も一部でみられたことから、前年同月をわずかに下回った(同2.4%減)。しかしながら、このうち食肉の取り扱いが多いとされる業態は、引き続き好調に推移しており、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風が同5.0%増と前年同月をやや上回り、牛丼店を含むファーストフード和風、ファミリーレストラン焼き肉がそれぞれ同2.2%増、同0.8%増といずれも前年同月をわずかに上回った(総務省「家計調査」、日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。
4 10月の推定期末在庫量は、13万2306トン(同7.3%増)と16カ月連続で前年同月を上回った。このうち、輸入品は12万1553トン(同6.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。
推定出回り量は、8万1831トン(同3.1%増)と前年同月をやや上回った。このうち、国産品は2万6022トン(同8.9%減)と前年同月をかなりの程度下回る一方、輸入品は5万5809トン(同9.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図5)。
(畜産振興部 河村 侑紀)