令和元年10月の生乳生産量は、60万1947トン(前年同月比1.0%増)となった(図17)。地域別に見ると、北海道が33万7759トン(同2.9%増)と8カ月連続で前年同月を上回った一方、都府県では26万4188トン(同1.4%減)と前年同月を下回った。
用途別処理量を見ると、牛乳等向けは35万6010トン(同0.3%増)、乳製品向けは24万2199トン(同2.0%増)といずれも2カ月連続で前年同月を上回った。このうち、脱脂粉乳・バター等向けは9万8486トン(前年同月比5.5%増)となった(農林水産省「牛乳乳製品統計」、農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
バターは年末需要に十分な在庫水準
令和元年度10月のバターの在庫数量は、2万6332トン(同12.6%増)と前年同月を4カ月連続で上回った(図18)。安定的な輸入などにより多様化するバター需要を背景に、推定出回り量は同年度累計(4月〜10月)で4万6124トン(前年同期比7.1%増)と堅調に推移する中で、在庫も十分な水準が確保されており、年末の最需要期も安定供給がなされる見込みである。
同10月の脱脂粉乳の在庫数量は、6万6331トン(前年同月比13.7%増)と前年同月を6カ月連続で上回り(図19)引き続き高い水準にある。この要因としては、ヨーグルトなどのはっ酵乳需要が落ち着き、推定出回り量が減少傾向で推移する中で、脱脂粉乳・バター等向け生乳数量が同年度累計85万7067トン(前年同期比4.7%増)と増加したことなどが挙げられる。
以上のように、バターと脱脂粉乳の需要のコントラストが顕著になってきている。
(酪農乳業部 廣田 李花子)