令和元年11月の生乳生産量は、58万5432トン(前年同月比1.0%増)と前年同月をわずかに上回った(図15)。内訳を見ると、北海道が32万6976トン(同2.5%増)と9カ月連続で前年同月を上回った。一方、都府県は25万8456トン(同0.8%減)と引き続き前年同月を下回った。
北海道では、主産地である帯広地区や中標津地区などを中心に引き続き生産量が増加しているものの、都府県では、昨年夏以降前年同月を上回っている中国や沖縄を除き減少が続いている。
用途別生乳処理量を仕向け先別に見ると、牛乳等向けは33万1520トン(同0.4%減)と前年同月並みとなった。一方、乳製品向けでは、チーズ向けが3万3837トン(同5.8%増)、脱脂粉乳・バター等向けも10万5558トン(同8.8%増)とそれぞれ増加し、全体でも25万153トン(同2.9%増)と前年同月をやや上回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」、農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
令和2年度の加工原料乳生産者補給金及び集送乳調整金単価が決定
令和元年12月12日に開催された「食料・農業・農村政策審議会」において、畜産物価格等の算定について諮問・答申が行われ、令和2年度畜産物価格等が決定した(表1)。このうち、加工原料乳生産者補給金の単価は、1キログラム当たり8.31円と据置きとなる一方で、30年度に新設された集送乳調整金の単価は、輸送コストの上昇などを踏まえ2.54円と、前年度より0.05円の引き上げとなり、合計で10.85円となった。また、総交付対象数量は、バター消費量の増加などを踏まえ、345万トンと前年度より5万トンの増加となった。
(酪農乳業部 廣田 李花子)