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海外の需給動向【牛乳・乳製品/中国】  畜産の情報 2020年2月号

需要増加に伴い、生乳及び乳製品の国内生産量、乳製品輸入量ともに増加

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生乳生産量は増加するも需要に追いつかず、生乳価格は上昇
 2019年上半期(1〜6月)の生乳生産量は、前年同期比1.7%増の1326万トンであった。
 一方、2019年上半期の飲用乳およびヨーグルトの生産量は同6.3%増の1216万9000トン、これらの原料となる全粉乳および脱脂粉乳の生産量は同5.6%増の51万5000トンであり、需要が堅調であることがうかがえる。
 生乳生産量は増加したものの、需要には追いつかないため、生乳価格は上昇傾向で推移している。2019年11月の生乳価格(主要10省・自治区)は、前年同月比8.0%高の1キログラム当たり3.8元(61円、1元=16.0円)であった(図21)。
 
 
需要を満たすため乳製品の輸入量は引き続き増加
 乳製品の主な輸入先であるニュージーランド(NZ)や豪州では、干ばつなどによる生乳生産量の減少により輸出価格が上昇したものの、旺盛な需要を満たすため、2019年1~10月の全粉乳、脱脂粉乳、飲用乳およびヨーグルトの輸入量は大幅に増加している。特にヨーグルトについては、輸入の8割をドイツが占めるが、2018年後半からはオーストリア、2019年はフランスや豪州、NZからの輸入も増加しており、輸入先の多角化を図っていると考えられる。
 一方で、チーズの輸入は勢いを欠いており、バターの輸入は大幅に減少していることから、これらの消費はまだ定着していないようである。
 「一人っ子政策」廃止後に需要が急増した育児用調製粉乳は、輸入の勢いが落ち着いてきた。二人目を出産する人が少なくなってきたこと、国内生産が増加したことが要因と考えられるが、統計がないため詳細は不明である。
 なお、ホエイは家畜用飼料に使用されるが、ASF(アフリカ豚コレラ)の影響で豚飼養頭数が減少したことにより飼料需要が減少したため、輸入量も減少したと言われており、2019年上半期の輸入量は大幅に減少した。しかしながら、下半期の輸入量は前年および前々年並みに近づいてきている。豚肉の代替として需要が強い牛肉が増産されたことや豚飼養頭数の回復の兆しが見えていることから、今後はホエイの輸入量も例年並みに回復するのではないかと考えられる(表15、図22)。
 



 
(調査情報部 寺西 梨衣)