1 令和元年12月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、3万348トン(前年同月比1.6%減)と前年同月をわずかに下回った(図1)。品種別では、和牛は1万5033トン(同0.1%減)と前年同月並みとなり、乳用種は7317トン(同1.2%減)とわずかに、交雑種は7643トン(同4.8%減)とやや、いずれも前年同月を下回った。
なお、過去5カ年の12月の平均生産量との比較でも、やや下回る結果(4.2%減)となった。
2 12月の輸入量は、冷蔵品は、買い付け時の国内需要が低調であったことに加え、現地相場高であったことなどから、2万1518トン(同5.7%減)と前年同月をやや下回った(図2)。冷凍品は、現地相場高の豪州産の代替や長期連休となった年末年始の手当などで米国産が増加し、冷凍品全体でも、外食などの好調な需要を背景に、3万1572トン(同27.5%増)と前年同月を大幅に上回った(図3)。この結果、全体では5万3115トン(同11.6%増)と前年同月をかなり大きく上回った。
なお、過去5カ年の12月の平均輸入量との比較では、冷蔵品はわずかに、冷凍品は大幅に、いずれも上回る結果(冷蔵品1.3%増、冷凍品51.6%増)となった。
3 12月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、249グラム(前年同月比0.7%減)と前年同月をわずかに下回った。
また、12月の外食産業全体の売上高は、前年同月をわずかに上回った(同1.0%増)。このうち食肉の取り扱いが多いとされる業態は、引き続き好調に推移しており、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風が同3.3%増、ファミリーレストラン焼き肉が同4.3%増、牛丼店を含むファーストフード和風が同5.4%増といずれも前年同月をやや上回った(総務省「家計調査」、日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。
4 12月の推定期末在庫量は、11万8780トン(同0.8%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、輸入品は10万6282トン(同3.3%減)と前年同月をやや下回った(図4)。
推定出回り量は、8万8100トン(同4.9%増)と前年同月をやや上回った。このうち、国産品は2万7781トン(同10.4%減)と前年同月をかなりの程度下回った一方、輸入品は6万319トン(同13.9%増)と前年同月をかなり大きく上回った(図5)。
(畜産振興部 河村 侑紀)