ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 担い手人材育成確保の取り組み〜北海道十勝24JAが北海道帯広農業高等学校と連携〜
本校は、北海道東部の十勝地方に位置し、基幹産業の農業や郷土の将来を担う人材の育成を目的に「農・食・環境」の専門的実学教育を展開している。全日制5学科(農業科学科、酪農科学科、食品科学科、農業土木工学科、森林科学科)の農業専門高校として99年の歴史があり、令和2年3月には創立100周年を迎える。この間多くの産業人を輩出し、十勝はもちろん、全道で活躍している。毎年、酪農科学科では約半数の生徒が農業の担い手となるために農業系大学への進学や農場研修、自営に就いており、担い手の輩出数は道内の高校1位である。高い自営率の背景には十勝という恵まれた環境と地域と一体となった取り組みがある。
十勝の酪農は畑作とともに十勝を代表する存在であり、乳用牛飼養戸数・飼養頭数、受託乳量ともに全道一を誇っている(図1、図2)。しかし、一経営体当たりの飼養頭数は増加しているものの、十勝においても農業者の高齢化などにより飼養戸数が年々減少しており、担い手の確保は地域の課題となっている。
まず、年間計7回参加しているホルスタイン共進会(ホルスタイン種の体型を競う大会)への取り組みがある。この取り組みには、ホルスタインクラブ(通称ホルクラ)と呼ばれる生徒の活動団体が取り組んでおり、現在は11名ほどの生徒が活動している。主な活動内容は牛の飼養管理・体の手洗い・毛刈り・調教などで、この活動を通して、酪農技術を学ぶ。昨年は地域や北海道の大会に7回全て参加した。これらの活動を通して、良い牛の見分け方やリード技術の向上につなげている(写真1)。また、共進会では酪農家や農協職員からさまざまな指導を受けて、将来の担い手としてだけではなく、人間性を養う貴重な場となっている。