公益社団法人国際農業者交流協会は、農業者を育て、農業を職業とする人を増やすことを目的に、1952年から日本人青年に対する1〜2年間の長期の海外農業研修事業を行うとともに、海外諸国からの若者を日本に受け入れる、約1年間の農業研修事業を行ってきました。これまでに海外農業研修に参加した人は約1万5000人、海外から日本に来て農業を学んだ人は約3000人に上り、農業経営者を中心に各方面で活躍しています。これまでは、19歳から30歳までの方々を研修対象者としてきましたが、近年の農業従事者の激減に伴う農業後継者の減少を考えると、もっと若い世代から農業に対する関心を持ってもらうことの必要性を考えるようになりました。
若年層の畜産に対する興味を刺激し、将来に向けた就農意欲を高めることの重要性に着目するとともに、女性の畜産参入を促し、活躍できる畜産社会を目指すことを目的に、2018年から日本中央競馬会の畜産振興事業の助成により、畜産を学ぶ女子高校生を対象とした畜産女子育成プロジェクト事業を実施しています。具体的には、2019年〜2021年までの3カ年に海外農場現場を調査・体験する海外研修です。
これは、特に畜産業を目指す高校生に海外の畜産事情を学んでもらい、広い視野と新しい視点を持ってもらうとともに、その経験から畜産の魅力を広く日本全国に広めることが狙いです。
2019年は多くの応募があり、選考の結果全国から20名の農業高校生(女子生徒)に参加してもらいました(写真1)。また、農業高校教員2名、海外農業研修を経験し、海外の酪農業に詳しい2名のメンター(指導者)がグループに同行しました。