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海外の需給動向【鶏肉/ブラジル】 畜産の情報  2020年4月号

2019年の輸出量、過去最高を更新

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輸出は過去最高を更新
 ブラジル経済省貿易局(SECEX)によると、2019年の鶏肉輸出量は、米ドル高レアル安が続き、ブラジル産鶏肉の価格競争力が高まっていることから、前年比3.4%増の395万1372トン(製品重量ベース)となった(表9、図12)。
 

 
 

 
 国別に見ると、中国向けは同国で発生したASF(アフリカ豚熱)に伴う代替需要の増加を背景に同34.5%増の59万412トンと大幅な増加となった。

ブロイラーの生産コストは上昇基調に
 ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)養鶏・養豚センター(CIAS)によると、最大生産州であるパラナ州におけるブロイラー生産コスト指数は、2018年4月から2019年9月頃まで、220ポイント付近で高止まって推移していた(図13)。10月頃から再び上昇し始め、11月に230ポイントを超え、2020年1月は233.05ポイントとなった。飼料の主原料となるトウモロコシは豊作が続いているものの、レアル安のため輸出環境が整っており、輸出量が増加していることや、畜産農家の増産などに伴い国内需要が堅調であるため、トウモロコシの国内相場は高値で推移している(図14)。飼料費はブロイラーの生産コストのうち約7割を占めるため、トウモロコシの相場上昇を受けて、ブロイラーの生産コストの上昇が続いているものとみられる。
 

 
 
 
 
2月の鶏肉卸売価格は1キログラム当たり4.5〜5.0レアルの間で推移
 サンパウロ大学農学部応用経済研究所(CEPEA)によると、鶏肉卸売価格は、2018年頃から上昇基調で推移している(図15)。この背景として、ブロイラーの生産コストの高止まりや、ブラジル国内における堅調な需要に加え、中国で発生したASFに伴う代替需要などにより、引き合いが強まっていることが考えられる。昨年末は中国の春節に向けた手当てにより輸出量が急増し、需給が締まったことから、2019年12月10日に統計開始以降、過去最高となる1キログラム当たり5.46レアル(約143円、1レアル=26.2円)となった。その後は一時同4.5レアルを割り込むなど落ち着きを取り戻したものの、2月は同4.5〜5.0レアルの間で推移しており、依然として高値が続いている。
 

 
 
(調査情報部 山口 真功)