学校給食における牛乳の風味変化問題に対しては、こうした学校への教材提供のほかに、学校関係者が体験的に理解できるようなプログラムとして、酪農乳業関係者が学校(大人)に説明するケースを想定した「牛乳の風味体験プログラムキット」を、公益財団法人日本乳業技術協会や乳業会社、学校関係者の意見をもとに製作し、学校関係者向けに実践を希望する酪農乳業団体や乳業会社に提供しています(図3)。
この体験プログラムは、「牛乳は、乳牛の食べるえさによって風味が違うこと」、「匂いや味の表現の仕方は、人によって違うこと」の二つを体感してもらうことがねらいです。
実際に東京都内五つの地域で学校教職員向けに、学乳を提供する乳業会社と共同で本プログラムを実施したところ、「牛が食べているもので風味が違うことを初めて知った(理解した)」「自分の舌は当てにならない」「人によって感じ方がこんなに違う」などの意見が出るなど、牛乳の農産物としての特性についての理解を得ることができました。また併せて「牛乳をつくり届けるまで」を乳業会社が講演したところ、「毎日届けられる牛乳は多くの人が携わって届けられていることを知った」「子どもたちへ伝えたい」といった学習の素材としての魅力をお伝えすることができ、「出前授業などをしてほしい」などの要望もいただきました。Jミルクでは、本プログラムなどを活用し、学校教職員の疑問を一つ一つ解消し、支えていくことも必要だと考えています。