畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 生乳生産量、3カ月連続で前年同月を上回る

海外の需給動向【牛乳・乳製品/豪州】 畜産の情報  2020年6月号

生乳生産量、3カ月連続で前年同月を上回る

印刷ページ
2月の生乳生産量は、前年同月比を3カ月上回る回復基調
 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2020年2月の生乳生産量は61万8385キロリットル(63万6937トン相当、前年同月比8.1%増)と3カ月連続で前年同月を上回り、12月以降の回復基調を持続した。(なお、うるう年による調整後の数値(注)は、前年同月比4.3%増に相当する。)また、2019/20年度(7月〜翌6月)の2月までの累計においても、623万900キロリットル(641万7240トン相当、前年同期比2.6%減)と干ばつが影響し前年同期をわずかに下回ったものの、2月以降雨に恵まれたことなどから生産量は回復基調となった(図20)。
 

(注) 2020年はうるう年に当たり2月が1日多いため、前年同月と同じ日数として比較した場合の比率。
 
 生乳生産量を州別に見ると、クイーンズランド州を除き前年同月を上回った。酪農主産地のビクトリア州は37万1300キロリットル(38万2424トン相当、前年同月比9.3%増)とかなりの程度増加し、タスマニア州も8万1880キロリットル(8万4336トン相当、同16.8%増)と大幅な増加となった。長期化している干ばつの中、南東部を中心に2月上旬のまとまった降雨などにより、前年同月を上回る水準で推移している(表13)。
 
 
2月の乳製品輸出量、主要4品目いずれも減少が続く
 DAが発表した2020年2月の主要乳製品4品目の輸出量は、いずれも減少し、特に、全粉乳とバター類は、前年同月比で5割以上減少した。(表14、図21)。
 

 

 
 
 脱脂粉乳は9064トン(同26.3%減)と13カ月連続で前年同月を下回った。2019/20年度(7月〜翌6月)累計で見ても、2019年7月〜2020年2月の輸出量は6万5646トンと前年同期比で39.3%の大幅な減少が続いている。
 全粉乳は2207トン(同56.5%減)と、1月の輸出量が中国向けを中心に5111トン(同52.5%増)と大幅な増加となったことなどを受けて、2カ月ぶりの減少となった。年度累計においても2019年7月〜2020年2月の輸出量は3万1779トンと同8.8%の減少となった。
 さらに、バター類においても648トン(同64.1%減)と9カ月連続で前年同月を下回った。年度累計で見ても、2019年7月〜2020年2月の輸出量は7412トン(同39.1%減)といずれも大幅な減少となった。
 チーズは1万2298トン(同3.9%減)と3カ月連続で前年同月をやや下回った。2019年7月〜2020年2月の輸出量は10万3028トンと同6.6%の減少となった。
 
(調査情報部 廣田 李花子)